2019年1月20日日曜日

ファブラボ大宰府

 
ファブラボ大宰府で作業してきました。

福岡市近郊にはファブがいくつかあります。が、安定して運営できているのはこのファブラボ大宰府とファブラボ博多くらいかな。
ファブラボ天神(と言い切っていいのか微妙)もありますが、ここは運営を模索中のようですし、博多駅KITTEにあった(らしい。行ったことないので。)Maker's BASE博多(痕跡がこちら)は撤退しました。
このほかにも福岡市近郊ではMakerムーブメントに乗って5年位前から様々な取り組みがなされてきました。
まず、今はおそらく活動をしていないファブラボ福岡。ここはβのまま最終的にはオープンしなかったんじゃないかと思います。厚かましくも一度お邪魔したことがあります。キーエンスの光造形機があるなど、設備的に素晴らしいものだっただけに残念ではあります。福岡でのファブラボ設立の声を上げたのはここが一番だったので、それ以降の施設は誰も「福岡」を名乗れず、博多、天神といった名前が使われてきました。
それから博多図工室。ここが実質的に福岡のファブのパイオニアだったと思っています。
開所は高砂(高砂にあったときに見学にお邪魔したことがあります)、その後中州に移り、一瞬ファブラボを名乗ったような気がしますが(勘違いかも)その後活動を停止しました。が、素晴らしいことに跡地には再起動の案内があります。今後に期待したいと思います。
そしてファブというよりもレンタルオフィス+工房といった風情のものたち。例えばヨカラボ天神Fukuoka Growth Next があります。特にFukuoka Growth Nextは高島福岡市長による官民共同プロジェクトであり、Gooday Fab Daimyo というしっかりした工房があったりします。
そしてさらに、やや特殊でオープンなのかクローズドなのかよくわからない九州大学のファブ。ここは一時外向きっぽい活動をしていたように記憶していますが、今は停止したのかな、何も情報がありません。

といった感じで、いまいち盛り上がらない福岡のMakerムーブメントであります。
しかしながら、これは福岡に限ったことではなく、ファブラボ鎌倉のころからすでに言われていたことで「ファブは儲からない」のであります。
儲けの対象としてファブを見てはいけないのかもしれませんが、運営サイドから見れば「食えない事業は続けられない」のは当然のことです。やたら高価なくせに稼働率が低い設備、常にイベントで集客をし続けなければ閑古鳥が鳴くラボ。これでは続かないのは当たり前であります。
このあたりについては「ファブラボ天神を一年間やってみた」にその理由が集約されています。これが実態です。ぜひご覧ください。

みら太な日々でも一時期工房を開放してファブラボ的な活動をすることを本気で考えたことがありました。レーザ加工機、3Dプリンタ、CNCを始めとする各種工作機械は一通り、というよりへたなファブラボには負けない規模でそろっていますので、ファブとして開放してもたいていの要望には応えられる状態にあるのです。
が、検討していた当時に株式会社マイサの加藤社長(ファブラボ福岡βを準備中でした)や、ファブラボ佐賀の陣内さんなどファブの運営に携わる方々の話を様々聴かせていただき「自分にはとても無理だな」と結論して開放を見送りました。

例によってものすごく前置きが長いです。
そんなファブラボ大宰府でありまして、みら太な日々はファブラボ大宰府のメンバーなのです。工房になんでもあると書いておいてファブのメンバーになっているというのも矛盾していますが、ファブラボ大宰府にはSpeedy300があるのがメンバーになっている理由です。でかい板切りたくなったらやはりspeedy300でしょう。speedy100はあちこちにありますが、100のテーブルは300x600mmで、ホームセンターでよく売られている320x545mmの板が乗りません。(多少余裕がみられていますので板材側の誤差でギリギリ乗ることもあるのですが....)もう10mm余裕があればspeedy100でもいいんですけどね。
今回は職場でとある冶具を作ることになり、その試作加工のためにお邪魔しました。

入り口。


外観


ファブラボ大宰府は九州の代表的なホームセンターGoodayが運営するファブラボです。
Goodayの柳瀬社長は....という話を始めると長くなるので割愛して、ファブラボ大宰府はEKジャパン株式会社の本社屋内の一角にあります。
「EKジャパンって何よ」という方も多かろうと思いますが、エレキットシリーズといえばピンとくるラジオ少年もいるのでは。
このあたりも話を始めると長くなりますが、EKジャパンは九州の方は多分ご存知嘉穂無線に関係する会社です。嘉穂無線はGoodayの運営会社でもあります。が、福岡の秋月電子であるカホパーツとは現在資本関係は無いらしいという少々複雑な事情になっております。


ファブ内。


機材はもとより、ミーティングスペース、Maker関連書籍もそろっています。


CNC。奥は基板加工機。


デジタルミシンかな。


で、これが目的のSpeedy300。向こう側の陰にはRayjetもあります。


カッティングプロッタとたくさんある3Dプリンタのうちの一台。


奥の部屋にはShopbotまであります。
ファブラボというよりTechShopに近い感じですね。


そのほかの3Dプリンタ。このほかにも何台かあります。


とフィラメント。


加工の様子をチラ見せ。


ベクターデータの処理ソフトはイラストレータが使われています。


前職で使っていたSpeedy100ではCorel Drawを使っていて、イラストレータはTechShopのUVプリンタでしか使っていなかったのでいまいちごっちゃになってやりにくいところがありますが、Speedyの性能はピカイチであります。

ということで、ファブラボ大宰府でした。
今回の試作で改良点含め設計が固まりましたので、水曜日は終日このマシンを使ってアクリル板を切りまくり、冶具の量産加工を行います。ということで、水曜日は終日ファブラボ大宰府に詰めていますので、みら太な日々の中の人に興味がある方は遊びに来てください(笑

2019年1月14日月曜日

【依頼案件】ダン石田とニューブリッコ その2

 
届いたブツを開梱します。まずコントローラ。


きれいにまとまっています。
端末の持ちにくい形は我慢するとして、筐体の合わせもぴったりしているし、ちゃんとした金型で打っている感じがします。それなりの数作ってるんでしょうね。このサイズの筐体用金型、上下電池蓋の3ピースあるので中国で作っても200万くらいはするんじゃないかな。数千台は作らないとペイできそうにないです。
コントローラ本体は板金筐体ですが、きれいな塗装にシルク印刷がかけられており、これまた良い感じの仕上がりです。


お次、ライトバルブ。40個x2セット購入。段ボールに一抱えあります。


出したところ。


このサイズは期待通り。


光源部分はポッティングされています。IP68を謡っていますから当然の処理でしょう。
バルブの距離はセンター間で210mmといったところ。この値は理想的。


ですが、コネクタはごく普通のSMコネクタがついています(笑 全然IP68じゃない。
配線は3本。これはWS2811使ってますからそうでしょう。


何はともあれ点灯テストです。
ですが、例によってブツ以外には何も入っていません。注意書きもマーキングも一切なしです。さてどう繋いだものか。
3本の線は、WS2811のデータシートから、VCC(12V)、GND、DATAと推測できます。
色は赤、緑、青の順番です。さあ推理の時間です。

一般的な、常識的な技術者が設計したものであれば、

  • 赤--VCC 12V
  • 青--GND
  • 緑--DATA
ではないかと推理します。NeoPixelも両端が電源で真ん中線がDATAです。できればDATA線は黄色にしたいところですが、電飾であることを考えるとあまり明るい色は使いたくありませんから緑に落ち着いたと想像することもできます。ということで、これを接続の第一案にします。
次にどっちからDATAを入れるかです。
バルブは40個が連結されており、その両端にSMのオスとメスのコネクタがそれぞれついています。どっちかが入り口で、どっちかがさらにバルブを連結するための出口です。
普通だったら入り口がメスで出口がオスです。ということで、メス側接続を第一案とします。
で、繋いでみました。  動きません(笑
「まあ接続のオスメスは違うこともあるしな」と思いながら逆から入れてみます。
動きません(笑

ということで、間違いなく結線が違います。さてどうしたものか。
推測で接続を変えることになりますが、12Vという電圧を考えると電源の逆接はしたくありません。
ここで改めて配線を見ますと、3本の線の1本は赤です。地球上にどれだけの数の技術者がいたとしても、DCソースのプラスを青や緑につなぐ奴はいないと信じたいです。
ということで青と緑をひっくり返してみることにします。

ひょっとすると40個を一発破壊する可能性もありますので非常に気を使います。
.....と、ここでひらめきました。

「WS2811はVCCとGNDは全部共通やん」


そうです。そうなのです。つまり、入り口と出口の端子をテスターであたり、導通している2本は電源線なのです。
ということで早速やってみたところ、

  • 赤--導通(まあそうやろ)
  • 緑--導通(笑
  • 青--O.L.
決まりです。
これまで生きてきて、生涯でただ一度だけ赤がGNDだったことがありますが、ここは会ったこともない中国の技術者を信じます。もし赤がGNDだったらもうモノつくりはやめます。


コネクタ持ってきて完全に接続できるようにします。もう後には退かないのであります。


新規導入したSM用カシメ冶具を投入。


まずまずの出来。


配線をコントローラに接続します。


果たして.....あっさり動きました。サンキュー中国(笑
ということで動く様子を動画で。動画が別のものに見えてしまうあなたの心は汚れています。何のことかわからないあなたはそのまま清く生きてください。


そして、今回の本命music mode。
この動画ではよくわからないかもしれませんが、実にいい感じです。演奏が始まると自動で動き始める感じです。イメージ通り。


いや紆余曲折ありましたが、なんとか無事に動作を確認できました。
ついでに電流が最大で2.7A程度であることがわかりましたので、12V3Aのアダプタを引っ張り出してきて使うことにします。何のアダプタかわかりませんが、定格があってるから大丈夫でしょう。
MDFのボードにまとめることにします。ついでに引っこ抜けそうなコントローラのコネクタは端子台を中継することで強化します。


レイアウト考えて、


ゴム足位置決めて、


久々に登場のバンドソーでMDF切ります。


改めて位置を決めて、穴位置出して、


穴開けて、


足つけて、


表側に、


コントローラ他を固定していきます。


ねじ穴も何もないACアダプタはお得意のタイラップ固定。


固定がすんだら配線です。端子出してきます。


Y端/丸端専用のカシメ冶具投入。


できるだけ美しく配線します。


まあまあかな。
これでコントローラ側は終わりです。


お次はバルブの固定です。
ステージ上にきれいに並べないといけませんから、ばらばらのままでは使えません。
これもダン石田氏と相談して要件定義(笑)を行いました。様々なステージのサイズと形状に対応できるように、中央にコントローラ端を配置し、そこから両サイドに対称形にバルブを配置、さらにバルブは1m程度の板に固定してモジュールとし、モジュールを増減することでステージサイズに対応するようにします。またこうすることで円形のステージでもモジュールを円周に沿って配置することでほぼ問題なく対応できるようにします。

近所のホームセンターGooday(FabLab大宰府の母体ですよ)にて850mmのヒノキ材が10枚セットで1000円程度でありましたのでこれを使うことにします。


ヒノキの良い香り。


こんな感じで並べるイメージです。


では位置決めから。40個のバルブは8枚の板にそれぞれ5個ずつ乗ります。


等間隔に中央線入れて、


バルブの底についている穴位置に合わせてポンチで位置出していきます。


こんな感じ。


ねじ穴はバルブ40個で160か所です。これでもまだ半分(笑


ここで秘密兵器(でもないか)ビーズスペーサ投入。
はい、あのお子様大好きアイロンビーズです。これがスペーサにちょうどいいのです。
安いのでいくら使っても気になりません。


そもそもなんでスペーサがいるのかというと、


このバルブの底の仕上げのあまりの汚さです(笑
裏側は内部から出てきた配線をホットメルトで止めてあるんですが、その仕上げがあまりにも雑で浮きまくりなのです。ベースの黒部材の両サイドに配線を逃がすための切り欠きがあったりと、一応設計時の配慮は感じさせるつくりになっていますが、実際は全く役に立っていません(笑
そもそもこのホットメルトでほんとにIP68なんですかね(笑


ということで、ここを逃がすためにはスペーサを入れてベースを板から浮かすしかないのです。このままねじ止めすると配線を圧迫しますし、バルブの向きがあっちこっち暴れます。さすがの中華クオリティ炸裂といったところ。


さて、別に張り合うつもりはないですが、こちらもホットメルトを使います。


位置決めしたところに、このようにビーズを仮止めしておくのです。


そうすることで、穴にねじ入れる→ねじにスペーサー入れる→下に向けて穴位置探す→スペーサー落ちる→床を探す→探しているうちに穴からねじが落ちる→最初に戻る、というループを回避できます。なんせバルブ80個でねじ穴は320ヶ所あるのです。

こんな感じに固定していくことになります。


スぺーサ仮固定して、


バルブ5個のところで、


思い切って線切って、


ハンズマンガラクタ市で入手したねじ出して、


あとはひたすら締めていきます。


黙々


黙々。


コネクタのオスメス間違えないようにデータ方向書いておきます。モジュール間に差はありませんが、念のために識別できるようにしておきます。


同じものが並ぶと実に気持ち良いですね。量産向けの性格です(笑


バルブのカバーは固定されている(外れている奴があるのは中華クオリティと思ってました)ものと思い込んでいましたが、思い切り回すと外れることがわかりました。これでネジを直上からねじ込めますので電ドラ使えます。一気に作業スピードが上がります。


早いのなんの。一枚当たり5分もかかりません。素晴らしい。


1時間も使わずに最初の40個が完成しました。


手持ちのSMコネクタの数に限りがあるので、モジュール5枚分だけコネクタつけてダン石田氏に確認のための仮納品をします。


納品と動作確認が終わりましたので、残る40個に取り掛かります。


板材もう一セット準備して、


今度はビーズスペーサ160個を一気につけてしまいます。


マーキングも済ませて、


あらかじめバルブを5個ずつに切断します。


そして一気に固定。


2セット目の40個は全工程2時間程度で終わりました。
いやすごい達成感であります。

SMコネクタ100ケが明日届きますので、この週末には全数完成&引き渡しができると思います。並べて動かすのが楽しみですね。