2017年10月15日日曜日

fusion360でネットにある3Dデータを利用する方法

 
最近はネット上に様々な3Dデータが公開されるようになってきました。
例えば、前回投稿でプリントテストしたHanakoさんはShade3Dの公式サイトが公開しているものです。
3Dプリントデータで有名なThingiverseはデジタルファブリケーション時代の幕開けと共に作られ発展したサイトの例ですが、様々なパーツの3Dデータの公開自体はもっと昔から産業用のガチ勢(笑)のために行われてきました。
国内の有名どころはミスミのサイトでしょう。こちらはプロ向け、事業者限定サイトですが、一般でも簡単に3Dデータにアクセスできる総合サイトとしてはRSコンポーネンツが電子部品の形状公開を拡充しています。これ以外にも自社の製品を採用してもらいやすくするために形状データを公開しているメーカーはたくさんあります。
こういった公開データを活用することで設計者は改めて形状データを作る手間を省くことができ、設計作業は随分と楽になります。また公式データを使うことで間違いも減らすことができます。非常にありがたいことです。
これらの公開データをfusion360で活用する方法についてお問い合わせをいただいたことが過去何度かあり、今回もアツシさんからここにコメントをいただきましたので、投稿としてまとめておきたいと思います。

例として使うのはミスミのサイトの50シリーズアルミフレームです。このフレームは今回作成した3Dプリンタにもたくさん使っています。


みら太な日々は一応自営の活動を目指す者としてミスミに登録させていただいており、お客様コードをもらっております。
では順を追って説明します。

ミスミのサイトでアルミフレームを検索するとたくさん種類がありますが、


この50シリーズを選びます。


全ての部品について3Dデータが整っているわけではありませんが、アルミフレームについては完璧であります。右側の「3Dデータダウンロード」をクリックします。


するとログイン画面が出ますので、登録しているIDでログインします。
利用規定をよく読みましょう。データを勝手に公開してはいけません。この規定がありますので、みら太な日々で設計した3Dプリンタのデータも公開できないのです。ご容赦ください。


同意すると部品情報を入力する別画面が開きます。今回は長さを指定してデータを作製してみます。


250mmの長さで作ってみましょう。

データ形式はstepにします。fusion360はクラウド上に非常に強力なデータ変換エンジンを持っており、なんのデータ放り込んでも大抵どうにかしてくれるのですが、確実なのはstepやdwgでしょう。stepにもdxf同様バージョンがいくつもありますが、まずは適当でいいです。うまくデータが変換されなかったときに別のものを試せばよいです。

 変換するとしばらく待たされてデータができます。

 これをダウンロードして解凍します。

 今回の場合、中はstepファイルとreadmeでした。サイトによっては複数のデータ形式が一つにアーカイブされていることもあります。


このstepファイルをfusion360で読み込みます。
ファイルからアップロードを選択すると、このウィンドウが開きます。


ファイルをドラッグして登録し、アップロードします。


形式やクラウドの込み具合によって結構待たされますが、終わるとこんな表示となります。今回は1分もかかりませんでした。複雑なものや苦手(?)なファイル形式があるのでしょうか、場合によっては10分とか待たされることがあります。気長に。


登録されました。これをダブルクリックで開くか、設計中の図面の中に追加します。


これで読み込み作業は終了です。あとは設計設計であります。


今回のフレームデータは単純なボディなので、後の扱いは自分で設計したボディと同じです。
移動もできるし、

コピーもできるし、


長さも変えられるし、


構築面を作って、


任意の角度で分割し、


こういった形状を作ることもできます。


ただし、ミスミのサイトではダウンロードしたデータの改変を認めておりませんのでご注意を。改変する場合は自己責任にてお願いいたします。


今回のデータはシンプルな単一ボディとして読み込まれましたが、ベアリングやリニアガイドのような複雑な部品の場合はコンポーネントとして読み込まれます。むしろそういう場合の方が多いと思われます。
コンポーネントの場合も自分で作製したコンポーネントと扱いは同じです。

みら太な日々では、ダウンロードしたパーツはこのように専用フォルダを作ってその中に整理してまとめております。こうしておけば実空間の部品棚のように必要なパーツを取りに行って追加するという感覚のままにCAD上の設計作業ができます。


電子部品とか。


ナットとか。


以上、ネット上の3Dデータをfusion360で読み込んで活用する例でした。
これでお問い合わせの答えになってるかな。

2017年10月7日土曜日

自作3Dプリンタのノズル径変更→サンプル出力

 
Aliexpressに注文していた0.5mmと0.2mmのノズルが到着しました。
購入したのはこれ。


これまで取り付けていたノズルは0.4mmφです。これを0.2mmに変えてみてどの程度出力に差が出るか興味があります。
わたしが作るものは「見るもの」というよりも「使うもの、機構部品の類」が多いので、外観はほとんど気にしていません。平面が出ているか、穴径は正確か、そしてすぐにできるか、といったことが優先されます。
ということで、これまでは0.4、0.5mmといったノズルを使ってきました。寸法の正確さはノズル径にあんまり依存しませんので、ノズル径を大きくしてプリント時間を短かくしたかったのです。穴径0.2mmφのノズルでは0.2mm以上の積み上げはできませんが、0.5mmφなら0.2mmφの倍以上のスピード、つまり半分以下の時間でプリントができます。
それが今回は一連の条件出しで使ったサンプルをもっときれいに出力したくなり、0.2mmを試してみることにしたのです。


交換は先端のノズルチップを緩めて外し、取り替えるだけなので簡単です。


取り付けました。ヒーターを昇温して熱くなったところで増し締めしておきます。


では早速プリントを。 細かな条件は出しておりませんが、一発勝負でやってみます。
おおお、やはり線が細いですね。緻密な感じがします。これは期待。


塗りつぶしも非常に緻密です。期待通り全体的に細かい仕上がり。


フィルは亀の子ではなく、直線の設定にしています。この方が少しでも早いかなと。


プリント中の様子を動画で


天井の塗りつぶしもきれいです。


終わりました。二時間とすこし。やはりかかります。


設定が詰められてないせいか、糸引きが多いですが、造形はきっちり終わっている様子。


髭を落として、玉も爪で軽く削り落とします。
左に0.4mmφノズル品を置いて比べてみます。


0.4mmφの文字付近。これはこれで十分頑張っていると思いますよ。


0.2mmφノズル品。潰れ気味ですが、間違いなく細かいです。レゾリューションが上がっているのがはっきりわかります。素晴らしい。


25度~45度までの傾斜を作った部分。0.4mm。


0.2mm。これは緻密さが違うのが一目でわかります。


数字もこれなら読めます。やや潰れてはおりますが(笑 全般に材料が出過ぎの感じがしますね。もう少しレートを落としてもよさそう。


穴もきれいです。


この溝の隙間がはっきり出ているのがうれしいですね。こんな造作しないと思いますが。
また、その左のM4も糸引きがありますが、きれいだと思います。


ブリッジの部分。頑張っています。


裏。こちらはあんまり違いが判らないかな。


ということで、さすが0.2mmφノズルであります。一定の精度向上を確認することができました。
この結果を見ると何か外観重視のサンプルをプリントして見たくなりますよね。ミクさんとかやってみたいですが、3Dデータが手元にありません。これは困ったと思いつつネットを見ていると、Hanakoさんを見つけました。
このHanakoさん(名前を初めて知りました)は確かに3Dプリンタの話題を扱うページで見ることがありました。これってShade3Dで無償配布されていたんですね。
これをいただいてプリントしてみることにしました。

Hanakoさんは立ち姿と寝姿があります。今回は寝姿でやってみます。立ち姿は難しそうなので。
早速寝姿のデータをDLしてみてみますと、立膝の部分は当然として、他にもベースから浮いているところが沢山あることがわかりました。背中やら腕の下やらです。
で、いろいろSlic3rの設定をいじって二回ほど数mm高さまでのテストプリントをしたのちに、ラフトとサポートの条件を仮決めして本プリントに臨みました。
なんてったって7時間以上かかりますから失敗したくありません。

開始。


まずはラフトの出力です。両足、お尻、背中含む上半身。


ラフトが終わったらHanakoさんが床に寝転がった時に床に接している部分から実体のプリントが始まります。右の肩甲骨のあたりと右足の裏あたりですね。


右足。ちゃんと指が見えます。素晴らしい。


頭髪と胸から腕にかけて内部のフィルが始まりますが、まだ腰あたりは全く始まっておりません。


バラバラ殺人現場のような風景が広がります。


とか言っていると、左手指が完了です。すごい!きれいです。指がはっきりわかる。


期待に胸膨らませつつ見守ります。ここまで1時間以上経過。


腹部のサポート材が立ち上がっていきます。


左足の立膝部分はふくらはぎの下にもサポート材が入っています。左が右より足を伸ばしている姿ですので角度が右足よりも緩く、造形の角度設定からサポート材が自動で挿入されています。


首がつながりました。


右足。指がある!


足首が立ち上がってきてよりいっそうバラバラ殺人感を漂わせます。


積んで積んで、


上半身が全てつながりました。


ここまでくると殺人現場から一転して物質転送の途中といったSF感が漂い始めます。


なかなかシュールな眺めではあります。


ふくらはぎと太ももがせりあがってきて、


もう少しでつながります。SF感からさらに転じて、橋脚橋掛け工事の気分です。


そして、ついに8時間近くかけて終了しました。ここまでほぼトラブル無しです。
自作3Dプリンタが長時間の稼働に耐えることの証明も出来てうれしい限り。


下して冷まします。


顔のあたり。サポート材がついていますのでぐしゃぐしゃです。さて、どこまできれいにできるやら。


左手。


胴体。曲面をプリントするとどうしても積層痕が目立ちます。


足とサポート材。ふくらはぎ特有の曲線を再現するために支えが必要だったということがわかります。


右足。


右手の指も見えます。サポート材が思いっきり絡んでいますので、綿菓子握ったみたいになっていますが、プリント自体はうまくいっているようです。


慎重にはがします。


うら。


ではラフトとサポート材を除去していきます。慎重に。


足の裏もちゃんとできてます。すごいですね。


続いて上半身のラフトとサポートを落としていきます。


背中側のラフトとサポート材を外し終えました。彫刻刀を駆使しています。


問題はここ。顔と右手指の握り込んだ部分。


出力自体はいい感じ。


ピンセットとアートナイフを使って慎重にさぽーとざいを除去していきます。


何と、表情が見えるようにプリント出来ているではないですか。すごいなあ。
右手の指も見てください。5本の細い指がきちんと出力されています。


全景。


ちなみにサイズはこんな感じ。全長180mmといったところです。


この指の再現性!


しわしわですが、ちゃんと出力されていることに驚きます。指の太さは1mmちょっとですよ。


後は全体をサンドペーパーで磨いて仕上げていきます。
こんなものを出力したのはもちろん初めてであります。テストとはいえ、夜中にHanakoさんを磨いていると、何かいけないことをしているような気分になってきます(笑


黒いテーブルに映える妖しい肢体(笑


ということで自画自賛で申し訳ないですが「このプリンタもけっこういけるやん」というのが感想です。
これはミクさんの3Dデータ出力してみたくなってきました。分割でプリントすれば結構な大物を作ることができるような気がします。フィギュアとか、さらにはドールのボディも行けるんじゃないかな。最終成形物のサイズが大きければこの精度で十二分に戦えると思われます。
踏み外さない程度(笑)に楽しんでいきたいと思います。