2013年9月8日日曜日

金をスパッタしてみる

 
本番用のミラーつくりを準備しています。
こちらにも書きましたように、出来れば金のミラーを使いたいところ。もちろん金のターゲットなんか買えませんので金箔で代用できないかと考えているところです。

セットアップはいつもの通り。


まずは再現性確認のために銅をスパッタします。


流石に慣れてきました。1分程度で終わります。


ばっちりですね。最高の再現性です。


ちなみに、2週間前に作ってシンクデシケータに保存していたものと比べてみます。
ほとんど遜色ありません。真空デシケータに保存していれば純銅のミラーでも大丈夫ということです。ここがボトムラインですね。


で、金をスパッタする前にちょっと遊んでみます。アルミのスパッタです。
酸化皮膜がスパッタを阻害するので難しいと言われているようです。今までにも何回か遊びでやってみていたのですが全敗していました。マグネトロンスパッタだったらどうだろう、と興味半分でやりました。

このアルミ板を利用。何のジャンクだっけか。


チャンバを乗せるところをヤスリで磨いてアルミ面を露出させます。


でチャンバを乗せて、いつもどおりにスパッタを実施。


なんかやばい感じです。電流は結構流れるのですが、何かおきているような感じがしません。
ガラス基板の変色もまったく無しです。

video

あけてみるとこんな感じ。ざらざらとした跡が残っています。触った感じでは、引っ込んでいるのか出っ張っているのか良くわからないというところです。


基板ホルダの裏も何もついていない感じ。簡単には出来ないということのようです。


ということで、遊びはこれくらいにして、本番の金箔です。
買っておいたのはこれ。


ターゲットの上にプラズマの形状に合わせて並べて、


基板をおいて、金箔が動かないようにゆっくりと減圧する以外は銅スパッタと同じような流れで製膜しました。


プラズマを近づけるとたちまち金箔が収縮してどこにいったのかわからなくなります。おそらく百nmくらいしかない非常に薄いものですので、一瞬のうちにスパッタされてしまってもおかしくはないのですが、それにしても不思議な光景でした。

で、できたのがこれ。


非常にきれいな膜が出来ていますが、銅と比較してそれほど違うという色ではないように感じます。


ターゲットの上はこんな感じ。プラズマがよくあたらなかったところに金が残っています。


ままよと言うことで、残りを全部乗せてもう一度やってみました。
購入した金箔は記載によると0.015g。最初に1/3くらい使いましたので、下の写真の量は0.01g付近と思われます。


スパッタ後。1回目と似たような感じ。


基板ホルダの色は心なしか薄い(つまり黄金色)ような気が。


出来たものを純銅と一緒に並べてみます。


このままの状態で室内に放置して酸化状態を比較することで金が膜になっているかどうかを判断したいと思います。
今回の実験がうまくいっているとしても、イメージ的には金だけでミラーを作るには非常にたくさんの金箔が必要になると思われます。まず銅をスパッタして厚さを稼いでおいてから、表面に酸化防止として金膜を形成するというのが現実的なやり方と思われます。

とにかくしばらく様子見です。

2 件のコメント:

  1. 自作しちゃうなんてビックリです。しかも蒸着できてる。これ本当は上下逆にすると効率いいですよね。金を上に固定して下から電子が金をたたくようにすると、重力で金の粒子が落ちてきます。雪が降り積もるように時間とともに蒸着されますよ。問題は金を上に固定するのに工夫が必要かな。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます
      イメージしていらっしゃるのは真空蒸着と思います。
      ここでやっておりますスパッタリングというのはミクロにみると非常に激しい現象で、スパッタされた金原子はおそらく音速の数倍の速度でガラス基板に激突しています。ので重力の影響は無視できて、上下逆にしても横に倒しても製膜結果は変わりません。
      真空蒸着とスパッタリングは金や銅などの製膜される物質の移動速度に大きな違いがあり、スパッタは大きなエネルギーで製膜することで蒸着に比べて付着力の強い膜を得ています。

      削除