2015年2月22日日曜日

ステンレス板へのレーザマーキング

 
現在のところ、依頼案件として記事を投稿しているのは文月さんの案件のみですが、実は裏で結構な数のご依頼をいただいております。
その内容たるや実に多岐に渡っていて、いずれも面白いです。ご了解をいただけたものについては順次このブログでも取り上げさせていただきたいと思っております。

そんな中で、今回記事に取り上げるご了解をいただけたものがありますのでご紹介をしていきたいと思います。

内容は表札の作製であります。
詳細については例によって相談しつつ進めていきたいと思っておりますが、おおよそのイメージとしてご依頼いただいたのは「ステンレスの板に黒文字で名前とアクセントを入れる」というものです。

これまでにアルマイトを焼き飛ばして描画を行ったことはありますが、それ以外の金属については経験がありません。面白そうであります。
金属へのマーキングはレーザ加工では良く行われております。ステンレス板だけでもレーザで直接焼きを入れてマーキングすることが可能です。しかしながら、これはあんまりきれいではありません。
そこでよく使われているのは金属へマーキング材を塗布してそれを焼き付けるというものです。
たとえば、こちらのレーザーワークスさんのところで取り上げていらっしゃるセルマークあたりが有名です。
セルマークは Thermark 社 の製品です。通販でも買うことが出来ますが、これが結構高価なのです。
50g で 7000円以上します。これに日本までの送料がかかりますので、一万円近いというなかなか手が出ない金額になると思われます。
でも「これを買うしかないかなあ」と思っていました。...が、Thermark 社の How it works を読んでみますと何とかなりそうな気がしてきました。
いろいろな方面に手を出してはおりますが、私は基本的に材料科学屋であります。しかも専門は無機化学なのです。説明を見ると Thermark が何をやっているのかはおおよそ想像がつきます。内容物もおおよそあてがつきます。ということで、自分で作ってみました。

まず、基板となるステンレス板を準備します。何のために買ったのかもう忘れてしまったステンレス円盤を見つけました。そういえば東急ハンズで買ったような。


これに怪しい自家製マーキング材を塗りつけます。筆塗り。
そして放置して乾燥させます。下の写真はほとんど乾燥したところです。上部の黒くなっている所がまだ濡れが残っています。


あとは乾燥したマーキング材をレーザ処理するだけです。
どんな感じになるか実験するために、ベクター描画とラスター描画の両方をやってみました。

ベクター描画の動画。

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写真。


書き終わったところ。文字はちゃんと見えていますね。


引き続きラスター描画。パワポ上でいくつかのフォントを並べてjpg化したものをMACH3のTOMTOMさんラスター描画プラグインで書き込みます。

動画。

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描き終わったステンレス板。


んで、この板を洗っていらないマーキング材を落とすと、このとおり、ばっちりマーキングされております。すばらしい。
ベクター描画のところはエネルギーが強すぎるのか、マーキング材はどっかに行ってしまってステンレスが直接掘り込まれてマーキングされてしまっていますが、ラスター描画のところはちゃんとマーキング材が残って盛り上がった状態で焼きついています。思惑通りの出来です。
もちろんブラシでがしがしこすっても全くびくともしません。非常に強固に焼きついています。


拡大。


もういっちょ。
拡大して良くみるとまだ粒状感が残っています。材料をもう少し丁寧に乳鉢でつぶす必要がありますね。この辺はまだまだ改善できると思います。また、ラスター描画の条件も何もいじっていませんのでさらに品質は上がるでしょう。一発目でこんなにうまくいくとは。笑いが止まりません。


完全に思惑が当たって気持ちがいいです。
ということでこれはおそらくですが、このマーキング材を別の材料で調製すればカラー化できるように思われます。材料に心当たりはあるのですが、今手元にありません。今度入手してカラー化実験をしてみたいと思います。うまくいくとカラー写真を焼き付けるなんてことが出来るかもしれません。

ということで、耐久性含めてしばらく様子を見る必要がありますが、表札のご依頼はこの方法を使えば恐ろしく安く仕上げることができる可能性が出てきました。


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