2015年5月24日日曜日

【依頼案件】アルマイトのエッチングで表札サンプルを作りました

 
「アルマイトはパイプフィニッシュで溶解する。」という情報に基いて行いましたこちらの実験は、マスキングテープをラスター描画で焼き飛ばしてマスクを作製しました。
今回はベクター描画で実験してみます。

ステンレスへのレーザマーキングのところで触れましたように、 いくつかのご依頼の中に「表札を作る」というものがあります。
着手当初はステンレス板の上に怪しい自作のマーキング剤を塗ってレーザーマーキングしようと思っていたのですが、パイプフィニッシュの結果があまりにすばらしいのでこちらでもやってみようという気になりました。

作るものが表札ということで、個人情報ですので名前がわからないようにプロセスをご紹介したいと思います。

まず、原案を作ります。今回の場合はご要望をいただいたデザインがありましたので、テスト用にちょっとレイアウトを変えて使うことにしました。
これ。○野○子さんです。伏せさせていただきます(笑


この原案をInkscapeに読み込んで、ビットマップトレースでベクター化します。
さらに、G-Code tools を使ってGコードを作製します。
このあたりの一連の流れは、ここですでに説明したとおりです。


東急ハンズで買った黒アルマイトの板にマスキングテープを貼ります。
その板に上記Gコードを使ってレーザカッターで描画を行います。ベクター描画は単に描画対象の外形線をトレースするだけですので、いらない所をピンセットで剥ぎ取ります。レーザ加工時のエネルギーは5W程度ですが、十分にマスキングテープは切れます。ピンセットで剥ぎ取るときに剥ぎたくない所が着いてきてしまうといったことは一切ありません。数分の作業で下のようにきれいにマスクパターンが出来ます。
今回は実験的に、白抜きと黒抜きを作ることにします。


マスクした板を適当な大きさのプラトレイに入れて、上からパイプフィニッシュを注ぎます。
おおよそ表面を覆う程度の量で十分です。漬け込む必要はありません。


1分後。早くもアルマイトが溶け出します。


3分後。トレイごと板をゆすってやるとすでにほとんどのアルマイトが溶解していることがわかります。


5分まで待って水洗いします。手荒れに注意。


マスクを剥ぐと.....
すばらしい。非常にきれいにエッチングされています。メタル地にアルマイトの黒で最高のコントラストです。見やすい。


個人的にはメタル地に黒のほうが表札としてはしっくりくるような気がします。


一部拡大。
マスキングテープを焼く際に、熱変性した粘着剤が切断面周辺に残るようです。剥ぎ取ったほうのマスク(つまり写真ではアルミ地の部分)のエッジ部分に粘着剤が残っていたと思われる線がうっすらと見えます。
これはマスクするテープを適切に選ぶことで解決できると思います。
むしろこの程度の粘着剤の残りでエッチング不良が出るということは、マスク材を選べば相当細かな表現も可能であるということだと思います。


エッジ部分。


逆パターンの部分。ここにも粘着剤の跡が見えます。


ここは比較的きれいかな。「野」の字の作り部分の細かな線にご注目ください。0.2~0.3mmといった所です。このような細い線がきちんと残せるのです。


こっちは粘着剤が残って失敗していますね。


今後露出した金属面がどのように酸化して行くかによっては、白化して見苦しくなることも考えられますので、経過を観察する必要があります。

ということで、マスキング材を選定するなどの条件出しが必要ですが、ベクター描画でもうまくやればすばらしくきれいなものを作ることが出来そうです。
本番の表札にする際は、10mmくらいのアルミ板にアルマイト処理を行い、それをエッチングすることでかっこいいものを作りたいですね。

良い手法が手に入りました。
近いうちにエッチング+アルマイト再処理もやってみたいですが、いろいろやることがありすぎていつになるやらという感じですね。

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