2016年1月17日日曜日

スキャナD2400Uの分解

 
ハードオフ冨里インター店で購入したCanoScanD2400Uを分解します。

こちら。


中はこんな感じです。いわゆる厚いスキャナ。スキャンする長さ(このモデルではA4横幅の210mmくらい)のイメージセンサとファイバレンズアレイを組み合わせたCISタイプではなく、スキャン面をミラーで反射させながら折りたたんで、最終的にレンズでラインセンサ上に結像させるタイプです。被写界深度が比較的大きいので原稿がぴったり平面でない(伏せた本のような)場合でも比較的ピントが合ったスキャンができるという特徴があります。
分解するスキャナを選ぶときは、この「厚いやつ」を選ぶべきです。理由はたくさんあって、例えば、
  • 動かすヘッドがでかくて重い(折り畳みの光学系とたくさんの部材)のでそれを駆動するための強いモータが入っている。
  • 同じ理由でしっかりしたシャフトが入っている。CISはシャフトが細いか、下手するとボディの溝で代替されてシャフトがそもそもなかったりする。
  • 結像レンズが手に入る。これはルーペとして使えるので重宝する。
  • 表面鏡が手に入る。これはガラス基板として見ても優秀。
  • 一般的にCISよりも画質がよく、上級機に位置付けられているため、作りがしっかりしており、ねじもたくさん使われている。CISははめ込みで終わりだったりする。
というわけで、厚いやつにするべきなのです。


ではいきます。
原稿押さえは簡単に外れます。


ねじ入れ準備して、


ねじ二本外して簡単にここまで行きます。もうなんといいますか、手が自動で動くというかなんというか。
昔は魚屋でサバを一本買ってその場でおろしてもらったりしておりましたが、いつもその手つきの鮮やかさに感心したものでした。おそらくその域に到達しております。長年の繰り返し作業から、手順に確立されたものがあります(笑

この形のガラスはラッキーです。どのスキャナもガラスは両面テープで筐体のプラスチック部材に固定されていますが、固定のやり方はいくつかあって、このスキャナの場合のようにガラス板の長辺にそれぞれ一本ずつ細長い部材がついている場合、あるいはプラスチック部材が「コ」の字になっていて、3辺が両面で止めてある場合、そして部材が「ロ」の字になっていて4辺が止まっている場合です。
3辺以上は注意してはがさないとガラス板に強い力がかかって最悪割れます。


今回のように一辺ずつの取り付けならば非常に簡単にはがすことができます。


はげました。


きれいなガラス板入手。こんな板ガラス屋さんで買うことを考えてみてください。一枚1000円なんかではまず手に入りません。
私の場合はこうやってスキャナから取り出したガラス板を、(所望のサイズに切り出す必要はありますが)3Dプリンタのステージやレーザ加工用の部材として使っています。


機構に取り掛かります。
シャフト外せば全部外れてきます。



この通り。


シャフト。10mmφ。400mmくらいの長さがあります。これも買ったらそこそこしますよ。


駆動部。


4本線ですから、2相バイポーラです。


減速機構。今回はこのままばらさずにとっておくことにします。


基板に行きます。


裏のねじを何本か外すだけ。


シールドを取って、


取り付けねじを回収しながら基板を外します。


部品を回収してもいいですが、今は在庫が豊富(笑)なので、そこまでは手間かけないことにします。

ちなみに、ざっと部品を見てみます。基板を眺めると大体の部品の機能はわかります。もちろん表面のシルク印刷をネットで調べればたいていのことをはわかります。

まずこいつ。モータにつながるハーネスが出ているコネクタのそばであることと、STマイクロ製であることからまずモータドライバだろうと思われます。
L6219とあります。調べてみると、モータドライバでビンゴです。ピーク1Aでマイクロステップ対応となっていますが、データシートを見る限り扱いは面倒そう。A4988のようにパルスとディレクションで動かすような簡単なものではありません。


電源コネクタ周りは電源関係の部材が乗っているはずです。
上の三本足はレギュレータ、左下のICは型番AP34063からデコデコの制御ICであることがわかります。


ここが一番賢いあたり。中央のチップはCPUで間違いないでしょう。オリジナルの型版がついていることが多いのでわからないことが多いです。まあ、これを外してリサイクルするというのは現実的ではありませんしね。左と下は調べてませんが、CPUと複数のバスで接続されているパターンが見えますので、たぶんフラッシュROMとRAMあたりと思われます。


ここはヘッドからのフラットケーブルがつながるところですのでおそらく信号回りです。左がイメージセンサのドライバで、右がUSBブリッジあたりじゃないかな。調べてないけど。


基板はこのくらいにしてヘッド分解にかかります。


目についたねじを外していくだけの簡単なお仕事です。


結像レンズ見えました。


こちらがラインセンサ、の裏側。


レンズ取れました。


例えばこんな感じに使えます。
下の写真は、デジカメのレンズに上の結像レンズを重ねて撮影したもの。


何を撮影したのかというと、下のインバータ基板に乗っているコンデンサのシルク印刷です。
すごいでしょ。超マクロというか顕微拡大撮影ですね。
こんな感じで重宝します。もちろんルーペとしても。


光学フィルタをパタパタさせるのにソレノイドが入っています。いくつも持っているんですが、まだいい使い道を思いついていません。


これがラインセンサを表から見たところ。CCDと思われます。


ここの基板は光学調整をした後にUV接着剤で固定してありますので取り外したいときは破壊することになります。今回は触りません。


表面鏡を外します。この鏡もクリップ状の治具で止まっている場合と、接着剤固定の場合があります。
今回は外しやすいクリップ止めでした。2400U有能。


結像レンズに入るまでに4枚の鏡で4回折りたたまれています。
取り外した上のミラーのほかに、ここに二枚と、


ここに一枚あります。


鏡が欲しければ外します。今回は一番大きな一枚のみ記念(笑)に取っておきます。

これにて分解完了。


元通りに組み付けて箱を作って、分解した部材を中に放り込んでいきます。


蓋してテープで止めて終了。


では今回の成果を振り返ります。こちらが全景。


タッピングねじ。


ISO小ねじ。


それぞれジャンクねじ入れに放り込みます。
これまでの分解でこんなにねじがたまっています。これだけ量があると、まずほしいねじが必ず見つかります。


一本だけ入っていたばねはばね入れに入れます。



例えばこうやって取り出したばねは、下の写真にあるレーザ加工機のミラー保持に使われています。


プーリーはジャンク歯車入れへ。


ソレノイドはジャンクパーツ入れに。


結像レンズは光学部費入れに。後ろに写っているレンズ群がこれまでの分解履歴を示しております。もちろんこれが全部ではありません(笑


ガラス板は板材保管庫へ。


横浜基地の板材保管庫はソファーの下であります。


シャフトはレーザ加工機にも使われている貴重な材料です。


私のレーザ加工機はA4スキャナから取り出したシャフトで作っているので、最大加工サイズがほぼA4になっているのです。


たった300円(これでもやや高いと思っています)で、これだけの有用な部品群が手に入り、休日のひと時を楽しく過ごせて、勉強にもなるという、もうこれ以上はないという素晴らしさ。
古の人々が捕らえたクジラを余すところなく活用した事例にも似て、いや似てないか。

とにかくジャンクはタノシであります。

2 件のコメント:

  1. 私も電子機器を同じくらいの速さで解体できます。
    部品を専用の容器にため込むのところまでは似ているのですが、目的が資源ゴミの分別でして、再利用する部品は、プリズムとネオジム磁石くらい。
    お茶の缶や、一斗缶いっぱいにたまったら、ゴミの日に出すだけです。
    今度、解体することがあったら、ソレノイドだけでもとっておこうかな。今までそんなものが入っていることさえ知りませんでしたが。

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    1. KOHさんも職人ですね(笑
      ねじも取っておいて、ビンいっぱいになったらオークションに出すとお小遣い稼ぎになると思いますよ。
      お勧めです。

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