2016年2月27日土曜日

ペルチェ素子冷却霧箱の作製 その8

 
水冷ペルチェ素子霧箱の試作一号機がほぼ出来ましたので、本日は最後の詰めと動作テストを行います。
詰めの第一番目はアルコール源の保持部分です。
詳細はGoogle先生に聞いてもらうとして、霧箱はアルコールを使って動作させる場合がほとんどです。
霧箱上部でアルコールを蒸発させ、下部を強力に冷却することでアルコール上記の過飽和状態を作り出し、そこに放射線が飛び込むことで軌跡に沿ってアルコールが凝縮、微小な液体粒子が白く線となって浮かび上がります。

アルコールはコットンパフにしみこませます。このコットンパフを保持する部品を3Dプリンタさんに作ってもらいます。
まず設計。適当もいいとこ。パフが落ちなければなんでもいいのです。底面の穴も多分いりません。おまじない程度。


STL吐いて、


スライスして、


プリントして、


冷やして、


外して、


出来上がり。


コットンパフは嫁さんがおいていったものを拝借。


こんな風にまんなかに穴を開けて、


プリントしたパーツにセットし、


霧箱の天井にねじ止めします。


これで機構部分は完成です。


詰めのお次。電気回り。ペルチェ素子の給電線を作ります。


ハンダ付けして、


熱収縮チューブかぶせれば出来上がり。
ペルチェ素子のマイナス側は共通。プラス側は一階に12V、二階に5Vをかけますので線を分けておきます。


詰めの最後は水冷台とペルチェ素子の熱結合です。
水冷台にシリコングリスを塗ります。


ちょっと多すぎたかな。まあいいや。


張り付けたとこを覗き込みます。何が何だかわかりませんね。失礼。


配線の先端はY端子をつけておきます。


前回改造した電源。


接続します。水冷用の循環ポンプは3-6V仕様なので、5Vに繋ぎます。


お鍋に冷却水(ただの水道水)入れて。


全景はこんな感じ。


では温度センサを張り付けて早速テストです。


02番ね。さてどこまで下がりますか。


アルミ板の上なので、若干温度低下の速度は遅いです。


どんどん下がって、


ここで止まりました。
???であります。前回もこの温度でびったり止まりました。



もしやと思って放射温度計で見てみると、もっと下がっています。新記録です。


そして、-32度を指した後、温度低すぎエラーを起こしました。これは相当下がっております。


が、依然として温度センサの表示は -24.51度のままです。
ここでもしやと思ってArduinoのスケッチ見直してみました。今回センサをつないでいる02番の計算は

 temp02 = temp02 + ((4.9 * analogRead(1) - 400) / 19.5 - 4);

となっております。ここのanalogRead(1) にゼロを代入しますと、-24.51になります(笑
なんだであります。すでにアナログ出力は0Vに落ちていたということです。

....と、ここまで投稿を書いていま間違いに気がつきました。
上記の式は/19.5としておりますが、これはmpc9701のものでした。使っているのはmpc9700です。9700の温度係数を用いると上記の値は /10 です。

ちなみにデータシート抜粋。


ということは、/10でアナログにゼロを代入すると、-44度になります。こうなると補正の-4の値も怪しいですが、少なくとも-40度付近まで下がっているようです。これは素晴らしい。

温度センサの件は別途対策するとして、ここまで下がるなら実際に霧箱として動作するかどうか実験してみたくなりますよね。ということで、やります。

まず蒸発台外して、


アルコール注入する穴開けます。


エタノール使います。ほんとはIPA(イソプロピルアルコール)が欲しいのだけど、近くのドラッグストアには売ってないのです。


そして、線源としてこのマントル使います。
ランタンの炎を安定させるために放射性トリウム同位体が入っています。最近のマントルにはトリウム使われていないものが多いので注意が必要です。このマントルはガイガーカウンタ持って行ってちゃんと放射線が出ていることを確認して買っています。


マントルの端っこをタイラップで縛って、


はさみで切ったものを霧箱の冷却ステージに置きます。


蓋をしてアルコールを3mlくらい注入。


電源入れて冷やします。

すると....




うれしくて意味もなく3本も動画を載せてしまいましたが、無事成功であります。


-40度近くまで下がっていますので、見えて当たり前なのですが、やはりうまくいくと気持ちがいいです。


ということで、とりあえず動作は確認できました。この構成で問題なさそうであります。
あとはどの程度安定して動かし続けることができるのか、どれくらい見やすいものにできるのか、といった工夫をしていくことになります。
今回の冷却水の量は2Lくらいでしょうか。この程度では10分も動かしていると水が暖かくなってきます。そしてそれに合わせて段々と飛跡が見えなくなっていきます。
MFTでは一日中動かす必要があります。それなりの量の冷却水と、冷却台を必要最小限で冷却する温度制御、雑イオンを除去するための電界印加回路、そして軌跡を見やすくする照明の配置と、いろいろ考えないといけません。
一発目の実験からうまくいきましたので、気をよくしてこれらの課題を片づけていきたいと思います。

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