2016年5月22日日曜日

ペルチェ素子冷却霧箱の作製 その15

 
現行チャンバで色々実験してわかったことが増えたので、それらの知見を突っ込んで新チャンバを作ることにします。
MFT(審査に通ればですが)までにもう一回くらい作ることになるかな。と思っています。

では二号チャンバを作ります。まず設計から。
いきなり出来上がっておりますが、こんな感じで行きたいと思います。主な変更点は、温度計測を温度計ICからサーミスタに変更したこと、電界をかけるための電極を土手と一体化して隠し、チャンバ内部をすっきりした構造にしたこと、冷却ステージの下にもサーミスタを仕込んで、冷却水温をモニタ出来るようにしたことあたりです。


材料はあいかわらず100円ショップのクリアケースです。これ便利。
0.5mm厚のアルミ板を切り出します。このアルミ板は東急ハンズで買ったもので、しっかりとした黒のアルマイト処理がなされているところが気に入っています。これを60mm角に切り出します。
アルミ板というと鋸で切りたくなりますが、切り口が暴れないようにするためにはアクリルカッターを使うとうまくいきます。


こんな風にアクリルカッターで筋を入れます。切り取るほどに力を入れる必要はありません。あくまで溝を作る感じ。


溝が出来たら、溝の部分を机の縁に合わせて上から平らな板で押さえつけます。
そして、そっと溝の部分を折り曲げます。上下に1cmくらい揺さぶる感じ。動かしているとだんだん大きく動くようになって金属疲労が蓄積していきます。で、しばらくやっていると実に綺麗に溝の部分から折れます。折れるというよりも転位が出来過ぎて割れる感じがイメージに近いです。


ケースの底はレーザカッターで50mm角の窓と四隅の止め穴を加工しておきます。
この辺りは初号チャンバと同じ構造なので図面は変更なしに流用します。


これに先ほど切り出したアルミ板を接着します。


位置をぴったり合うように確認して、


セロテープで仮止め。さらにマスキングテープで表面に傷が入るのを防ぎます。


裏からエポキシで固めていきます。
ここはほんとは柔軟性があるシリコン系の接着剤の方がよいと思われます。次回試作はそれで行こうかなと思っております。


おもりを載せて放置。


硬化しました。


綺麗に流れているか確認です。


大丈夫のようですね。


とりあえずここまででこやつはいったん止めておきます。


お次は部材のプリントです。
上部のエタノール保持パーツは金属ねじで保持するように変更し、そのねじを電界をかけるための電極としても使用することにします。また、水冷台は下にサーミスタを入れられるように溝をつけたものに作り直します。そして、右下の枠状のパーツが今回新たに設計したもので、下側の電極を埋め込むための溝、冷却ステージの温度をモニタするためのサーミスタ押さえ、さらに過冷却気体の流動を押さえるための土手を兼ねたものです。


最近好調な3Dプリンタさん。


ほぼノーミスで積んでいきます。


出来ました。


使うサーミスタはこのフィルム上のモノです。


スペックの一部。低温で抵抗が大きく上がりますので、低温側を測定するのに有利です。


例えばこんな感じにおいて、


上から水冷台で押さえつけるようにします。この時ちょうどサーミスタが水冷台の下部に接触するようにサーミスタの厚さ分の溝が加えられています。


これはちょっと長いかな。


この短い方を使うことにします。


サーミスタの動作確認をします。分圧抵抗を560kオームにすることに決定。


微調整は先送りして、おおよその温度があっていることを確認します。


クリアケースの下部にはサーミスタと雑イオン抑制電極を通すための穴を開けておいて、


サーミスタはこのようにして冷却ステージにポリイミドテープで張り付けておきます。


次に雑イオン抑制電極を仕込みます。


今回新たに作成したパーツにはぐるりと溝が切られており、


このようにスズメッキ線を埋め込むことができるようになっています。


一部を接続用に伸ばしておいて、


裏に引き出しておきます。


こうすれば、サーミスタと雑イオン抑制電極は全く見えず、すっきりとしたチャンバになります。


取り付けねじとの位置関係も確認しておきましょう。


さてお次はクリアケース下部の横から冷却水循環ホースを引き出すため、ケースの壁の一部を切り取ります。
久々の超音波カッター登場。超音波カッターの投稿は当ブログでも人気です。みんな大好き超音波カッター。


おおよその目印をつけて、


いきなりぶった切ります。1分もかかりません。


縁をそれなりに整えておきます。


では組み立てていきます。
まず初号チャンバをばらします。


追加のパーツが入りますので、位置決めねじを10mm長いものに取り換えます。
水冷台固定用のパーツをサーミスタを仕込めるものと付け替えます。その上に水冷台を置いて、


二階建てのペルチェ素子おいて、


新たに作ったクリアケースの下部パーツを取り付けてねじ止めすればベースは完成です。


クリアケース上部には、エタノール保持パーツを固定するための穴と、


エタノールを供給するための穴を開けます。


これも今回再度作ったパーツ。中央の柱を金属製の長ネジにして、雑イオン抑制のための高圧電極として使います。


スペーサー用のナットを入れて、


こうやって保持します。


完成。


ぱっと見初号機と大きな違いはありませんが、構造的にはあちこち工夫が盛り込まれています。


来週には冷却水を冷却するための水冷台(ややこしい)が配達されるものと思われます。
そこまで作り込んで再実験です。
それが終わったら照明に取り掛かります。まずは暑い会場でも安定して動くものを作る必要があります。
この週末にはMFTの審査結果も来るでしょう。パスしてるといいなあ。

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