2016年6月4日土曜日

ペルチェ素子冷却霧箱の作製 その17

 
まだ水冷ジャケットが届きません。ので、電圧印加というか電界形成による雑イオン抑制の実験を先にやってしまいます。
結果を先に書きますが、効果は絶大でした。
ではいきます。

まず、電圧印加にあたって少々アプローチを変えました。
その14まで冷陰極管インバータを使った高電圧発生を画策しておりましたが、先日秋葉をぶらぶらしておりますと、日米無線電機に小型の高電圧発生機が売っているのを見つけました。

これ。確か500円だったかと。
小型のフライバックトランスを使ったものと見受けました。ということで出力はDCのはずです。
プラズマボールのパーツとかじゃないですかね。


一応説明書がついております。怪しいですが。


開放で-6000V出ると。これは頼もしい。冷陰極管インバータの数倍の電圧が期待できます


ただし、電流はあまり流せません。保護回路が働くようです。
今回の目的は電界を形成することなので電流はほぼ0です。ということで大丈夫でしょう。


ということで、これで行くことにします。冷陰極管インバータにコッククロフトウォルトン回路を後付けするよりもスマートです。

では作業していきます。


これまで使っていた基板をサーミスタ対応にするために改造します。ついでにチャンバの向きを90度回して配線の取り回しをすっきりさせることにします。


こちらが基板。Arduino nano(のぱちもん)ベースで、温度を液晶で表示するようにしていました。
温度測定は温度センサICを使っておりましたので、その部分の配線をやり直します。ついでに余ったコネクタポストを活用して電源ケーブルを分離します。こうするとチャンバと基板からケーブルがぶらぶらしませんので見た目が良くなります。


さらについでに、チャンバ周りをできるだけ暗くできるように液晶のバックライトのOFFスイッチをつけることにします。 LEDの配線をトグルSW経由にするだけ。一撃で終わります。
これは消したとこ。


点けたとこ。


基板の裏がだんだん汚くなっていきますが仕方ないです。最初から作り直すのも面倒です。


これがすっきりさせたい配線類。


短く切ってコネクタピンをつけて、


3Pコネクタにまとめます。基板に余っているポストがちょうど3Pなので、GND共通の5V&12Vという構成にしています。


サーミスタへの変更に伴い分圧抵抗の追加が必要です。


コネクタの隙間を使って、


こんな感じに実装します。


サーミスタの線も短く切ってコネクタピンつけます。


冷却ステージ温度と水冷ジャケット温度の二つです。


かなりすっきりしますよね。


電源のケーブルも作っておきます。5V&12V。5VはArduino、液晶、サーミスタへの給電を兼ねています。


これはすっきりしました。いいですね。


基板の改造はこれで終わりです。

次に面白いものを作ります。箔検電器です。ライデン瓶みたいなやつ。
今回テストする高圧電源は電流がほとんどとれません。スペックシート上ではたった240uAです。これではLEDも光りません。ということで、電圧がかかっているかどうかを調べるうまい方法が無いのです。まさか触るわけにもいきませんしね(笑


19世紀の実験であります。


出来ました。


試してみましょう。こちらが今回採用する高電圧電源。


電圧OFF.


電圧印加。箔が開いているのがわかりますかね。なかなかかわいらしいです。


動画で。


セットアップはこんな感じ。電圧印加中に瓶を触ると人体GNDに向かって箔が引っ張られます。
19世紀な雰囲気が漂います。


これで電圧がかかっているかどうかを知ることができるようになりました。
次は軌跡を見るための照明の作製です。


いきなりできておりますが、こんな感じでLED 3灯で試してみます。


Arduino のアナログポートを使ってPWM制御で明るさを変えられるようにしています。


では動かしてみましょう。
冷却水つないで、


高電圧発生回路にも電源接続用のY端子を圧着します。


セットアップはこんな感じ。


チャンバをつないでいても電圧をかけるとちゃんと箔検電器が動作します。これは便利だ。


以下動画で実験の経過を見ていきます。

まず電圧印加無しで。LEDが暗くてわかりにくいですが、まあいつもの感じです。
LEDはもっともっと明るいものにしないといけないですね。別途対応したいと思います。


で、お次が電圧を印加した状態。
わかりますかね。軌跡が非常にシャープになり、飛程が非常に長くなっています。劇的な改善です。


といいつつ、この動画では両者の差がいまいちよくわからないですよね。
ということで、線源も本番用に大盤振る舞いすることにします。
今までは3mmφくらいのものを使っていましたが、一気に40mmの棒状の線源を二本使うことにします。これは激しいですよ。

これ。今までの線源の20倍くらいのサイズです。



こんな感じに配置します。しかも二本。



まず電圧印加前。線源が大きくなったことでこれまで比較にならないほど軌跡が増えていますが、なんとなく一本一本の軌跡が太くて眠い感じがします。


で電圧印加後、軌跡が一様にシャープになっています。
やっぱりわかりにくいですかね。直接見ると一目瞭然なんですよ。直接ご覧になりたい方はMFTにお越しください(笑


ということで、LEDがくらいという課題がわかりましたので、いつものようにWクラスのLEDトーチを照明にして動画を撮影してみました。
しばしα線の乱舞をお楽しみください。


ということで、これでチャンバ部分についてはほぼ完成かなという感触です。
あとは冷却水を冷却する空冷モジュールを作りたいです。そうしないとMFTの暑い会場ではひっきりなしに冷却水を交換するか、定期的に氷を放り込むかしないと展示を続けることができなくなりそうです。
良い展示が出来るようできるだけの準備を整えようと思います。

3 件のコメント:

  1. 美しい!!軌跡が大量に出ています。電界の効果絶大ですね。MFTで拝見するのが楽しみです!細長い線源とは溶接棒でしょうか。箔検電器も見て楽しいですね。
    私もMFTに出展することになりました。でも昨年は霧箱で審査落ちしたので自信が無くて別ネタにしてしまいました(SDR)。でも一応霧箱も持参したいと思います。

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    1. TT@北海道さん、
      お互いMFT2016審査パスですね。準備頑張りましょう。
      今年もレベルの高い展示をされるんでしょうね。
      楽しみにしています。

      細長い線源はマントルを割りばしに両面テープで巻きつけたものです。トリタン棒も試したのですが、私の入手できたやつはマントルよりもはるかにα線が出ないのです。
      金属棒だとほとんど表面近くにあるトリウム同位体からしかα線は出てこないと思われますので、表面積の大きなマントルが効果的なのだと思います。

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  2. 久しぶりです、MFTの当選おめでとうございます。
    出品の準備も順調のようで楽しみですね、私、今年は8月転勤になりそうで丁度、引越しが重なり残念ながらMFTの見学には行けそうもありません、そのうち横浜基地に遊びに行きますので結果を聞かせて下さい。
    ご健闘祈ってます。

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