2016年7月31日日曜日

Maker Faire Tokyo 2016 準備完了

 
本日より木曜日まで福岡に出張です。しばらくぶりに実家に帰ります。
ということで、戻ってきたら金曜日出勤すればもうMFTの本番であります。ということは準備する時間はもうないということです。
前日にできることなんて知れてますから、この週末に準備を完全にする必要があります。
あらかた終わってはいるのですが、ちまちま細々した気になっていることがあるのでそれを片づけておきます。

まず、展示物のくみ上げを実際に行ってレイアウトとアイテムの確認を行うことです。
霧箱については先週やって、すべてを一つの袋に入れてあるので大丈夫のはずです。本日はマグネトロンスパッタリングです。
実際にくみ上げて動かしてみて、それまでに必要となったすべての物品と工具をもとの場所に戻すことなく運搬用の箱に入れていくのです。

まず組みます。


実際にプラズマを点灯させるところまでやってみます。マグネトロンプラズマが点灯すれば最低限のデモはできます。


これがレイアウト。


ここで、スライダックの配線が怪しいのが気になりました。Y端子のカシメ部分がほつれて配線の髭が飛び出しております。それにテーブルにレイアウトした時に電源コードが短いような気がします。
作業台ではコンパクトに使えているスライダックですが、会場では机の上に自由にコンセントを配置するわけにもいかないと思われますので、余裕を持たせておいたほうが良い気がします。


これ。短いですよね。ということで交換します。


長めのコードをおもちゃ箱から出してきて、端子をつけます。安全を考えてY端子ではなく丸端子にしましょう。絶縁のスリーブも入れておきます。カシメて締め付ければ完成です。


ここで、ガラス基板を準備していないことに気がつきました(笑 これではデモできません。
先ほどの準備ではプラズマ点灯までは確認しましたが、実際にスパッタしたわけではありませんでした。ほんとに最後までやらないといろいろ忘れているものですね。
ということで切り出します。


これだけあれば足りるでしょう。


それから、もう一つ気になっていたチラシの印刷を行います。
どれだけの方に来ていただけるかわからないけど、一応作っとくかなと。といっても簡単な紹介とブログ/メールアドレス書いてるくらいですけど。


こんな感じ。150枚ほど作りました。


印刷は横浜基地唯一のプリンタPM-3700Cでやります。ハードオフで見つけたA3プリンタ。図面を実寸で印刷したい時などにA3対応は助かります。
540円の値札が貼られたままですが、実に順調に働いてくれます。エプソンのピエゾヘッドはほんとにタフにできている印象です。


あとは、名刺を印刷すれば出来上がりです。これは交換する人のお楽しみ。

....これで準備は大丈夫....のはずです。パッキングに移ります。
真空ポンプ、MOT、スライダックと重たいもののオンパレードです。この三つだけで10kgを軽く超えてきます。底が抜けないように、段ボールの一番下に厚い板を敷いて重たいものから入れていきます。


現場ではなにが起こるかわかりませんので、工具を始めとして各種テープやインシュロック、予備配線材、スペアパーツなどを放り込んでいきます。
メンテナンスで海外出張するとき並みの気合の入った準備です。ビッグサイトの近くにハンズでもあればいいんですが、あの付近にはそれ系の店ないですしね。


軽いものや詰めにくい形のものは大きな紙袋に入れておきます。
ゴミ箱は霧箱用の冷却水タンクです(笑 しばらく部屋からゴミ箱が無くなります。


全体をこのカートに乗せて引いていきます。タイヤが大きな重量物用のキャリーカートです。
福岡から何度となく重量物を運んできましたが、おそらく今回の荷物が最も重いです。
今測ってみたら、全部で27kgありました(笑


これで、京浜東北線、臨海線と乗り継いでビッグサイトを目指します。わが家から会場ブースのテーブルまでの全行程で階差にはエスカレータが使えることを確認済みです。こんなもん持って階段上りたくはありません。


ということで、あとは会場へ行くだけです。
皆さまぜひぜひみら太な日々のブースへお寄りくださいませ。サイエンス分類の B-02-04 です。

場所は以下をご参照ください。まず全体図。


もう少し寄ったとこ。


皆様とお会いできますことを楽しみにしております。
では、当日会場で。

2016年7月24日日曜日

MFT準備で銘板の作製とか

 
MakerFaireTokyo2016の準備を進めています。
出展品は動作も確認できていますのでとりあえず安心。あとは説明やフライヤー、説明ビデオといったところかなと思っています。どこまで準備できるかわかりませんが、なるべくわかりやすい展示にしたいと考えています。

ということで、スパッタと霧箱の説明板、およびブースのメイン看板を作ります。おそらく事務局で看板が準備されると思いますが、オリジナルを置くところがあればおこうかなと。

説明の板はこんなやつです。


作っているところをいくつか動画で。





あとメイン看板。100均のMDF板にレーザ加工機で文字を焼き込んでいきます。



出来ました。


あと、展示物を実際に組み上げて、忘れ物がないよう確認しながら一か所に集めておきます。




動画で。


着々と準備です。
皆さまのご来場をお待ちしております。

傘の修理

 
MFTの準備もほぼ目処が立ったのでこのところ気になっていたことを片づけます。
傘の修理です。
今年の梅雨は私の実家である福岡/九州は結構雨がひどかったですが、こちら横浜基地周辺はあんまり雨が降りません。ということで壊れた傘の修理を先送りにしていました。
ところが先週は打って変わって雨ばかり。その雨の中を仕方なく壊れた傘をさして通勤しておりました。

で、修理です。
どこが壊れているかというと、こちら。わかりますかね。骨がプラスチックの棒でできているのですが、これが途中で切れています。それはもうちぎれているという感じの切れ方です。ぶらりと垂れ下がっています。


これ。


ちょいピンボケ。


で、これを繋ぐわけですが、部品箱を漁っているとよさげなスペーサーを発見しました。


これを使いましょう。


このスペーサーの穴の中に両側から折れた骨を挿し込んで、このM2のタッピングで締め付けるというやり方です。


スペーサーにタッピングをねじ込むためのした穴を開けます。1.5mmで行きます。


丸棒&PPかナイロン樹脂なので滑って固定しにくいです。


何とか開きました。


いい感じにねじ込めますね。途中で止めておいて、


骨を挿し込んでしっかりとねじ止めします。びくともしなくなり、しっかりと接合されます。
結構太くなっているのですが、全く問題ありません。


うごかしてみます。


これでばっちりです。
今は傘も消耗品扱いされがちですが、ちゃんと修理すれば相当長く使えるものです。
かわいがってやりましょう。

2016年7月17日日曜日

マグネトロンスパッタリング再起動 その2

 
電源周りが整理されましたので久々に製膜してみたいと思います。ちゃんとできるとは思うのですが、確認は必要ですし、会場でダメ出しをもらった時のためにサンプルを持っておきたいのです。
ということで本日は製膜です。

が、その前にやることがあります。真空ポンプのオイル交換であります。
真空ポンプを買って以来一度も変えておりません。稼働率は低いというものの、そろそろ買えた方が気分がいいです。
のでまずそれから。

こちらが真空ポンプ。ツーステージ品です。エアコンの真空引き用といったところでしょう。


オイル交換は油量確認窓の下にあるドレンを外すだけです。


200CCくらいかな、たらたら出てきます。最後の方は結構汚れたスラグが混じっています。
やっぱり買えてよかった感じです。


新しいオイルは上の給油口からゲージ見ながら入れるだけ。車やバイクのオイル交換と一緒の段取りですね。簡単なもんです。

さて、これで準備完了です。
ここで改めてマグネトロンスパッタリングに使う機器類をご紹介いたします。一生懸命やってたのは二年以上前の話ですので復習しておきましょう。

まずメンテが終わった真空ポンプ。


スライダック。じわじわと電圧を上げていくために使います。この後ろにMOTをつなぎますので、実際にチャンバにかかる電圧はスライダック出力の約20倍になります。
プラズマは点灯の瞬間が最も電圧が高く、点灯すると抵抗が下がる負性を持っています。
安定したプラズマの維持と、スパッタレートの調整のために非常に重宝します。
海外からの問い合わせメールには「スライダック無しで何とかならんかね」みたいなのが結構来るのですが、MOTの全力投球をかけるためにはかなり大きなチャンバにして電極間を離す必要があるためお勧めいたしません。


お次、MOT。Microwave Oven Transformer の頭文字をとった呼び方です。電子レンジのマグネトロン管駆動用のトランスですね。マグネトロンスパッタリングのマグネトロンとごっちゃになってわかりにくいですが、実はどっちも原理は同じようなもんなのです。マグネトロン管も磁界の中で電子がぐるぐる回っており、その過程で2.4GHzの強力な電磁波が発生します。
こちらは九州の電子レンジから取り出しておりますので、100V60Hzで約2kV出力といったところです。MOTは磁気漏れトランスと呼ばれる構造で、負性抵抗というか、電流制限動作というか、一定以上の電流は流れにくい構造になっています。これもマグネトロン管の特性に合わせたものになっているのです。電流制限動作とは言いつつも、300mA以上出ますので感電したら即死できます。ご注意を。


それから、前回まとめた電源その他部分。高耐圧ダイオードと高圧コンデンサ。高圧コンデンサはやはり電子レンジから取り出したものです。ダイオードも電子レンジに入ってるんだけど、普通はブリッジなんて贅沢なことにはなっていません。一本だけ。
ということで、買い足してブリッジ組んでます。


こちらが銅のターゲット。その昔ebayで買ったもの。なんに使われているものかはよくわかりませんが、純銅のようです


ターゲットとチャンバを気密するシリコンゴムパッキン。シリコンゴムシートからカッターで切り出した手作り品(笑


チャンバ。一時期IKEAで売っているピクルスのみじん切りに嫁さんが嵌ったことがあって、その時に同じ大きさのビンが大量に出たのでそれを流用。


ダイヤモンドビットを使って、電極取り付け用と真空引き用の二つの穴を開けています。そこにそれぞれ電極用のM3長ネジと、真空引き用のウレタンチューブを突っ込み、エポキシで固めています。こんなもんでも十分役目を果たすのです。


中の基板ホルダ兼陽極は取り外せるようになっています。基板ホルダは水道配管用のカラーで作りました。


内側を覗き込んだところ。ターゲットと陽極の距離を変えられるように作っています。電極間距離の最適値を見つけるのに結構苦労しました。


口がパッキンにぴったり合うようになっています。
真空引きすると大気圧でチャンバがパッキンに押し付けられますので、ロックは何もいりません。


では配管&配線します。
真空ポンプにはワンタッチジョイントをつけております。


6mmφ用のワンタッチジョイントはたくさんあります(笑


こんな感じにして、


繋いでいきます。


箱にまとめたおかげで配線は単純になりました。


スライダックとMOT。


作ったやつ。


チャンバの配線。ターゲット側がマイナスつか低電位側です。
プラズマ内で電子にぶつかってイオン化した窒素カチオンが電位差で加速されてターゲットに衝突します。このときにターゲットから銅原子やクラスターがはじき出されて(スパッタされて)高速で周りに飛んでいきます。この時に基板に当たったものが基板上で薄膜を作るのです。
真空蒸着のようにふんわりと積もるような製膜ではなく、秒速数百mという大きな運動エネルギーをもって基板に衝突するのでできる膜が強靭になります。これがスパッタの特徴です。


ではプラズマを点灯させてみましょう。
マグネトロンがよく見えるように基板ホルダを外して通電します。
まずはセットアップ全体を動画で。最後にカメラが倒れているのはご愛嬌。


いよいよ点灯です。
点灯の瞬間はマグネットを入れておりませんのでターゲット全体にプラズマが広がっています。
そこにターゲットの下からマグネットを挿入すると、マグネットのギャップ部分にほぼ全てのプラズマが集まってドーナツ状の高密度部分を形成します。これがマグネトロンです。マグネトロンプラズマは磁石を動かすとターゲット上を動きます。面白いですね。


では実際にスパッタしてみます。
まず基板の準備。ハンズマンで買ったスライドグラスを使います。


一枚10円です。青板ガラスなので、いろいろ言いたいことはありますが、まあ良しとして。


ガラスカッターで切ります。久しぶり。


切れました。


基板ホルダに、


こんな感じに入れて保持します。載せてるだけ。


では銅スパッタ行きます。


出来た膜。
反射側にフォーカスを合わせます。映っているのはこの写真を撮っているデジカメのレンズ。
非常にきれいな鏡面が出来ているのがわかります。色は銅の赤っぽい金属光沢ですね。


サンプルとしてシリカゲルを入れたケースで保存します。このまま部屋に置くと参加して光沢を失うのです。


もう一枚。反射の様子を。


実は端っこの方にちょいとムラがあります。


お次、銀と銅の合金スパッタに挑戦します。
みなとみらいのアクセサリーショップに銀のワイヤーを取り寄せてもらいました。これで3000円しません。銀は安いのです。100円/gくらい?
ぐるぐる巻きにしてマグネトロンの形に合わせます。出来るだけ多くの銀がプラズマにさらされるようにします。


ではスパッタ。めっちゃレートが早い。


出来ました。実に綺麗な銀色の膜です。銅色はほとんど感じられません。


銀の方が圧倒的にレートが早いんですね。電極間隔を変えないままターゲットの上に乗せているのでほとんどの電流は銀を介して流れていると思われます。プラズマも銀側に寄っているのでしょう。



実際かなりのエネルギーがかかっているようで、一部銀線が熔解しています。


チャンバの壁面にもべったりと膜が出来ております。


ターゲットも銀が付着しました。こんなにレートが違うとは。面白いです。


 ということで、出来はいまいちですが、サンプルが出来ましたので、とりあえずの再起動実験としては成功としておきます。


あとは、会場でスパッタをデモしたいと思います。実演しながら条件詰めていくかな。
デモOKが中止されませんよう願っております。
皆さまお楽しみに。

今回より新しいラベル「あやしい実験」を追加します。
これまでスパッタは自作CO2レーザのカテゴリで扱っておりましたので独自のラベルを作っておりませんでした。この実験もとりあえずMFTまでと思っておりますので、今後使いまわしができるラベルを一個作っとこうと思います。