2016年9月18日日曜日

自作3Dプリンタ その1 設計着手

 
Cetus3D という3Dプリンタをご存知でしょうか。KickStarterで今話題になっております。
このプリンタを初めて見た感想は「カッコええ」でした。
片持ち式のロボットアーム風の構造で、小型&シンプルを目指した設計とのこと。リニアガイドをXYZ軸3本も使うことでシャフトをすべてなくし、スリムなつくりになっています。

これ



かっこいいなあ、と思ってしばし見ていたのですが、考えてみたらこのくらい作れるじゃないかと思いまして、本日急遽(笑)プロジェクトがスタートしました。
いつも新しいプロジェクトは急遽始まるのであります。

とりあえずリニアガイドはそれっぽいのを何本か持っております。
それらはちょっと短めなので使い道に迷っていたところでした。こんなコンパクトなプリンタはちょうどよい使い道です。3軸全てを賄うにはちょっと厳しいかもしれませんが、少なくともこのCetus3DのかっこいいところであるXZ軸の部分はまねできそうです。

ということで、メカ部品の在庫を確認します。たいていのものを横浜基地に持ってきているつもりではありますが、果たして何があるやら自分でもよく把握していないのです。ちょうどよい機会なので棚卸を兼ねて一通り見てみます。

まず一つ目の引き出し。
リニアブロックは10mmφ用だったような気が。今回ひょっとするとY軸はシャフトにするかもと思っておりましたが、十分な在庫があります。


タイミングベルト用のプーリーも、小さめのベアリングもそれなりにありそうです。


シャフトホルダとリニアブッシュもたくさん。これは9mmφ用だった気がします。


ここにもリニアブロックがありますね。まあ、どんな設計になっても足りそうなことだけは確認できました。


タイミングベルト。巻いてあるのでよくわかりませんが、少なくとも5m位はあるんじゃないかな。


こんなチビリニアガイドが見つかりました。どういう経緯で入手したのか全く記憶にありません。


モータは足りるでしょう。最悪は今使っている3Dプリンタのものを外して使えばいいのです。


ベアリング入れが見つかりました。死ぬほどありました。何の心配もないです。


鋼球の替えもあります。使わないと思いますが。


ということで、細々したパーツは何とかなると判断。


お次、リニアガイド。
こないだこんな形で持ってきました。これは大型のやつなので今回は使いませんが、棚卸しておきます。


これ。



Z軸に使ってもいいかもしれませんね。たしか300mmと400mmが二本ずつだと思います。


今回使うのはこの辺りの短い奴ですね。220mmが1本、180mmが二本。ブロックだけはなぜか6個もあります。一本はまだ未開封。これらは確かヤフオク。


で、一本ジャンク品もあります。160mmなので使いどころが難しいやつ。しかも重量物用なのでブロックもでかい。その結果ストロークは90mmしかありません。

これ。ちゃんとボールが逃げないようにガイドがついているやつなので外してもパニックになりません(笑


スライドさせるとぎこぎこします。ので、だめもとでオーバーホールしてみることに。
まず、ボールを全部出してブロックをばらばらにします。


で、ボールの通り道をきれいに掃除してからもう一度組み直します。ボールをなくさないように神経を使います。


結果、ほとんど何の改善もなし。
最後はボールを1/3くらい抜くという禁断の手もあるのですが、そこまでやって使いたいほどのものでもないので、お蔵入りにします。そのうちボールを替えてみて効果があるかどうか見てみることにします。


モータはどうしますかね。
かっこいいのはこんな小さなやつを使ってスリムに仕上げることですが、ちょっと力が足りなさそう。
このモータ、日本橋DIGITで見つけて一目惚れしたけど結局何にも使ってないというやつです。確か8個くらい持ってる。


多分このくらいになるのでしょう。一般的なホビー用3Dプリンタが使っているNEMA17です。
これは日米通商に売っていたよくわからん医療機器ジャンクから取り出したモノ。


両軸なのでクランクつけると手回しが出来ます。いりませんが。


スリムに仕上げるもう一つのポイントはベルトの引き回しです。


Cetus3Dの写真とビデオをよく見ると、ベルトは汎用アルミフレームの溝の中を通しているのがわかります。


こんなアルミフレームの、


ここを通しているということです。


試しにやってみると、20mm角のフレームでも十分に余裕をもってベルトが通ります。
ここもまねさせていただくことにします。


20mm角のアルミフレームにリニアガイドをこんな感じに乗せることにします。


レールの剛性の方が高そうです(笑


おおよその方針が決まったら、アルミフレームを選びます。
今後のことを考えると、手元にあるジャンクのアルミフレームではなく、ちゃんとしたメーカーから買おうと思うのです。
パーツやフレームの使いまわしを考えると、一つのメーカーに決めておいた方がよいのです。
ということで、NICのアルファフレームシリーズを使うことにします。ここの製品は直販でもモノタロウ経由でも手に入り、個人でも買えます。MISUMIあたりは魅力ですが、法人口座を持っていないと売ってもらえません。

ということで、NICのカタログを見ながら構想を練ります。楽しいひと時です。


おおよそ構想が出来たら図面にかかります。
いきなり図面をかけるあたり便利になったものだと思います。ドラフターに紙だとこうはいきません。
設計がちゃんと終わってやっと製図できるのです。改変自在のCADのありがたみひとしおであります。

さらにうれしいことに、市販のパーツのほとんどはメーカーによって図面データが公開されていますので、買うことが出来るパーツの多くは自分で描く必要すらありません。
例えば今回使うTHKのリニアガイドはサイトで仕様を入力するとその場でCAD図を生成してくれます。あとはSTEPデータをDLしてfusion360に読み込むだけ。

ということで、本プロジェクトからみら太な日々のメインCADをfusionに移行します。
fusionを練習するのもいいですが、実戦で使うのが使いこなしへの早道なのです。SketchUpは半年くらいでほぼ考えることなく手が動くようになりました。fusionは複雑ですのでもう少しかかるかもしれませんが、一方ですでに3D描画の下地はありますのでお作法だけ覚えればよいという楽な部分も期待できます。3DCADの最も面倒な部分は、ソフトの操作を覚えることではなく、3D思考といいますか、なんといいますか。描きたいものを何を起点に描くのが最も早いのかという描画のコツをつかむことであると思うのです。
その昔、Blenderを勉強しようと一念発起していろいろ情報を調べました。その中に「テニスボールを描いてみる」というやつがありました。あの黄色い毛羽立ったボールです。CGで描いてみたいですよね。ですが、モデリングで挫折しました。私には有機的な形状のモデリングの才能がないなあと思い知らされました。普通テニスボールを描くとすると、球体から初めて野球のボールの縫い目のような溝を入れていくのが手順と思ったのですが、実際は全く違って、スタートはおにぎり(三角柱)でした(笑
おにぎりのあの稜線の部分が最終的に溝になるのです。三角柱の壁面を膨らませてテニスボールにするという手順でした。いや、少々練習しても三角柱→球体を思いつくようになれるとはとても思えませんでした。

口上はさておき、描いていきます。いやDLしていきます。
まずリニアガイド。


アルミフレーム。20x20mmを使います。


NEMA17のデータも適当な奴を落としてきます。見つけたデータはタイミングベルト用のプーリーもついていました。
これらをそれっぽい位置を決めて配置し、


それぞれを繋ぐパーツのみ作図していきます。ここだけは市販というわけにはいかないのであります。


こんな感じに板を入れます。とりあえず5mmtのアクリルで作ってみるつもり。金属の方がよいことはわかっておりますが、手元に材料があってレーザ加工機でサクッと切り出せるということでアクリルの板は使い勝手がいいのです。


タイミングベルトを描いていきます。


タイミングベルトのようないわゆるスイープを使うような作図はSketcUpのウィークポイントの一つです。なかなか上手く描けません。


が、fusionであれば一発であります。この辺りはブール演算が得意なソリッドモデリングに軍配が上がるということなのかな。単にSketchUpの仕様上の問題なのかもしれませんが。


反対側のプーリーのあたりもCetus3Dのまねをします。Cetus3Dのこの辺りの構造は写真でも動画でもよくわからないのですが、おそらくこうなっていると思われます。


板にねじ穴を開けていきます。この辺りの作業もfusionの方がはるかに効率的で速いです。


それっぽい形になってきました。


ネジもちゃんと描き入れます。


私が思うfusionの欠点は、あまりに手順が簡単なのですぐにレンダリングしたくなるところです(笑


なんかもう作ったような気になってきます。


これで当たってなければ、まず現物で当たることはないであろうという思われるくらいに現物っぽく見えます。こんなものが家庭用のPCで動いていて、しかもフリーソフトっていうんですからすごいですよね。
この3枚はクラウドレンダリングです。ローカルでやってもいいのですが、クラウドの方が圧倒的に速いです。しかも個人利用の場合は回数に制限がありません。
商用利用だと金を払ったうえでレンダリング回数に制限があるという不思議な仕様になっています。


ちなみに裏。


一軸だけでも設計出来たら作ってみたいですね。あとはリミットスイッチとブロックとベルトをつなぐ部分の設計をする必要があります。

ということで、唐突に始まった自作3Dプリンタプロジェクトでした。ほかに抱えている案件もありますので、発散しないように気を付けて進めたいと思います。

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