2016年10月9日日曜日

自作3Dプリンタ その5

 
ベルトがかかりましたので今回はモータを動かしてみます。

まず何を使って動かすかを決める必要があります。制御系とソフトウェアの決定です。
現在横浜基地で稼働している3Dプリンタさんは、Melziと呼ばれる基板で動いており、Arduino ベースのものです。外部制御もできますが、基本はSDメモリに入れたGコードをスタンドアロンで実行するといった使い方に向いております。
今作っています新しい3Dプリンタもいずれはこれらの基板で動かすことになると思うのですが、少なくとも製作途中のテストの際には細かな制御ができないこの手のボードは使いにくいです。
ということで、他の方法を考えます。
基本的にステッピングモータを回すだけですから、モータドライバとパルス源があればいいだけなんですが、そこはそれ、制御っぽくしたいじゃないですか。
3Dプリンタが前述のMelziで動いているのに対して、レーザ加工機は素のモータドライバをパラレルポートの信号で駆動しており、ソフトウェアはMACH3を使っています。

どうでもいいことかもしれませんが、私の周りの方はほとんどこのソフトを「マッハスリー」と読みます。一方でYoutubeを見ていると、米国人は「マークスリー」(厳密にはメァールクトゥルィー?)と発音しています。マッハはドイツ語読みですから米語ではマークと読むのは正しいのでしょうけど、いつもどっちで発音すればいいのか迷います。
MACHをマッハと読むのはエルンストマッハの影響ですかね。明治期の日本はドイツも英国同様に目を向けてましたしね。BACHも日本人はバッハですが、米国人はバックですし。でも楽器のBACHは最初からバックだな、と思ったらこれは米国の会社ですか。今はセルマーの傘下なのか。セルマーはもともとフランスの会社でなかなかややこしい、などと脱線しているときりがないのでこの辺りで。

結論としてMACH3のようなマニュアル制御が出来る制御系がテストの時には使いやすいです。
が、レーザ加工機につながっているMACH3の制御系を外して使うのは気が引けます。順調に動いているものは極力触らないというのは原則です。必ず悪いことが起きます。

ということで、その他の方法を考えます。
一番簡単なのはヤマグチmini MakerFaireの時に使ったGRBLを使うことです。これならGRBL化されたArduinoとモータドライバ基板を接続したものがすでに手元にあります。

これ。



ですが、この方法は実はあまり気が進みません。制御ソフトであるGRBLControllerがなかなかプアなのです。基本の基本動作しかできません。
もちろん、マニュアル操作はできますのでテストには十分なんですが、なんとなく気が向きません。
うーんと思いながらネットを徘徊しておりますと、bCNCなるものがあるではないですか。ざっと見たところなかなか高機能な制御ソフトの様子。これは俄然興味が湧いてきました。
調べていくと、Python環境で動くとのこと。クロスプラットフォームでRaspberryPiでも動くとのこと。ますます興味が出てきました。これを使ってみることにします。

ということでインストールします。
このインストールという言葉も install という単語を知っていればなんでもないのですが、インストロールと発音している人がたまにいます。スピンドリルみたいな(笑
気持ちはよくわかります(笑

Python入れます。Pythonいずれ触ってみたいです。なんかいまなら「これやっとけ」って感じでしょ。


インストロール(笑)自体はスムースに進みます。


続いて仮想シリアルのモジュールを入れろと。


SourceForgeにちょいと昔のバージョンのインストローラ(しつこい:笑)付きのものがありましたので、それをサクッとインスコ(笑


簡単。


で、bCNCを起動しようとしましたが、うまくいきません。
やむなくGRBLControlerでやろうとしたら、どうもArduinoに転送しているGRBL自体のバージョンが古いために問題が起きている模様。
ということでGRBLも最新版にします。


前回は Arduino IDE から転送しましたが、今回はヘキサの方が簡単そうだったので、Xloader使って直送しました。


で、GRBLControllerできちんと動作することを確認。GRBLの設定等を今回作った軸に合うように書き換える必要があります。



空で動かしてみると、なんかそれっぽく動いている模様。もちろん軸を繋いでいないのでほんとに動作しているのかはわかりません。



bCNCも起動してみます。今度はちゃんと起動しました。
起動時の初期画面。GRBL(Arduino)との接続など行う画面です。


これが加工のメイン画面かな。
嬉しいことにfeed overrideがあります。最低限これが欲しかったのです。3Dプリンタでは直接関係ありませんが、レーザ加工機で使うときは非常に重宝する切断スピード変更ができます。


他にもいろいろといじるところがある様子。
まだ使い方はさっぱりですが、レーザ加工機への利用もにらんで本格的に調べてみたいと思います。


ということで、制御系は何とかなりそうですので、制御される側に取り掛かります。
この軸に取り付けたステッピングモータをモータドライバに接続します。
このモータからは線が6本出ています。本体に2phaseと書いてありますから、2相ユニポーラ駆動のモータであることは間違いないでしょう。これなら今ある2相バイポーラ駆動用のモータドライバに接続ができます。
この辺りの話はここにくわしくまとめていますのでご参照ください。この投稿はみら太な日々の中でも飛びぬけて参照数が多いものの一つです。


モータのコイルの結線を調べていきます。
6本の線は3本ずつ2組に分かれており、この2組の間には電気的接続はありません。そしてそれぞれの3本線のうち一本はセンタータップになっています。
つまり、6本の線はそれぞれ

  • コイルAの端っこ
  • コイルAの反対側の端っこ
  • コイルAのセンタータップ
  • コイルBの端っこ
  • コイルBの反対側の端っこ
  • コイルBのセンタータップ
となっています。コイルAとコイルBの間は導通しませんから、互いに導通する3本の線をまず見つけ、その3本の間の抵抗をそれぞれ調べます。3本線の組み合わせの数は3です。で、そのそれぞれの抵抗値は低、低、高になります。しかも一本はセンタータップなので、高の抵抗値は低の抵抗値のほぼ倍になります。
これを頭に入れていれば結線をアサインするのは簡単です。

まず適当な二本を選ぶと、3.4Ωで導通がありました。ステッピングモータのコイル抵抗はこんなもんです。
非常に低いところを見ますのでテスターの内部抵抗の影響を受けます。調べるときはちゃんとしたテスター使ってくださいね。


緑の線をつかんでいる黒プローブの位置を維持して赤プローブを黄色から別の線に繋ぎ変えます。するとこの紫?の線で導通がありました。この時この抵抗値は黄色-緑のほぼ倍である6.7Ωです。つまり低が3.4Ω、高が6.7Ωという推測が出来ます。高は低のほぼ倍になってますね。


黄、緑、紫の3本が一つのコイルにつながっていることはわかりましたので、あとは確認として、まだ接続していない紫-黄色の導通を調べます。これは低になるはずです。
調べてみると、3.3Ωです。ちゃんと低になっていますね。
これで紫-緑がコイルの両端、黄色がセンタータップであることがわかりました。


残りの3本も同じやり方で調べていきます。
今度は高の値が出た時点でコイル両端であることは明らかなのですが、念のため3本とも調べましょう。


いろいろ明らかになったら、接続のためのピンをつけます。
いわゆるデュポンコネクタのオスピンを使います。


これ。


このカシメ治具は正規なデュポンコンタクト用ではないのですが、使えます。というか慣れました。


残りの問題として二組のコイルの極性確認が残っていますので、まだハウジングには挿さずに、かつ互いに接触しないようにクリップで保持しながらモータドライバに接続します。


電源を繋いで、


セットアップ全体はこんな感じ。


まずは使い勝手がそれなりにわかっているGRBLcontrollerで実験。


電圧はこんなもんで。


では動かします。動画で。


なんと一発で動きました。結線合っていたようです。ということで、コネクタピンをハウジングに入れてちゃんと接続します。
次にbCNCで動かしてみましょう。


こちらも動画で。


もう一本。


とりあえずここまでは順調。
やっぱりリニアガイドを使った直動機構というのは安心感があっていいですね。

2 件のコメント:

  1. この記事の画像で登場するテスターは、私が最近購入したテスターと同じモノですね。前職でサンワのテスターを使っていた事もあって信頼出来るテスターの一つだと思っています。

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    1. ウェイさん
      私もそう思っています。
      最近は黄色いテスターを使っている人が多いですね。

      ちなみに私が小学校の時に買った一台目のテスターはHIOKIでした。アナログメーター。
      まだ実家にあります。今度持ってこようかな。針式にもいいところありますからね。

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