2017年2月12日日曜日

基板加工機 その4

 
先週末は風邪でダウンしており、ブログの更新が出来なかったみら太な日々であります。
毎年毎年この季節に必ず会社を休むレベルで体調を壊します。そのたびに「ついに花粉症か」と思うのですが、どうもそうでもなさそうです。1週間で治まる花粉症ってないみたいですし、あちこち見てもどの花粉カレンダーとも発症時期が合ってないのです。実に不思議です。思い当たる節は黄砂だったんですが、今年はまだ話題になるほど飛んでないですよね。
皆様もどうぞご自愛くださいませ。

さて、動き出した基板加工機ですが、まだステージの水平、というか軸間の直交の調整が出来ておりませんでした。ということで、調整をするわけですが、実際に削るときはほぼ必ずワークの下に捨て板を置くと思われますので、DAISOのMDF100mm角をアルミステージ上に固定し、この板の水平を出そうと考えました。


MDFをアルミステージに固定するには、この生爪代わりの蝶ナットを使うようになっています。が、これが使いにくい。


生爪の形をしておりませんから、押さえという点で使いにくいのは当たり前なのですが、それ以前に、ボルトのステージへの固定が不安定です。
キットに付属している固定用ボルトはこのような構造になっています。下部に角ナットがついていて、この角ナットをアルミステージの溝にひっかけるようになっています。
固定はワークをワッシャで押さえて、上から超ネジで締め込むことで行うようになっています。
んで、この角ナットがいわゆる後入れナットの形をしているのが使いにくい原因です。あと入れナット構造ということは、入れた後も抜けるということを意味します。さらに、この角ナット構造は溝の中でくるくる回り続ける形をしていますので、注意深く使わないとすぐに抜けてくるのです。
溝から抜けてこないように角ナットの角度を気にしつつふらふらするナットを締め付けてワークの固定をするのは非常に面倒であります。


ということで、改造します。
溝の中で回転しない先入れナットと、ネジとワッシャと蝶ナットを使います。


これらをこのように組んで、


こうやってワークを固定します。
まず角ナットをおおよそのワークの端位置に持って行って、ネジを締めます。すると角ナット自体がアルミステージの溝の中で固定されます。この角ナットは溝の中で回転することはありませんので、位置決めはねじを指で軽く締めやるだけで十分です。
で、その状態でワークをねじに突き当てて、上からワッシャと蝶ナットで締め込んでいきます。この時もねじがぐらつくことはありませんから、ワークの固定は楽です。
このように、改善前は一度に行っていたねじの固定とワークの固定という作業を二段階に分離したのです。
非常に作業がやりやすくなりました。


さて、MDF板が固定できましたので、このMDFをステージとして、傾き補正を行っていきます。
まず、どのくらい傾いているのかを知るためにこのダイヤルゲージを使います。


これ。
最小メモリが1um、針が5回転したところのフルストロークでも1mmという非常に精巧なゲージです。


これをこのスピンドルのどこかに固定したいわけですが、


ゲージの後ろがこんな形になっているのを頭に入れて、しばし考えましたところ、いいアイデアを思いつきました。


在庫の中に転がっているこの金折を、


モータを外したZ軸に挿し込んで固定し。


そこにさらにダイヤルゲージを固定します。


ばっちりであります。


では早速測定してみましょう。MDF板の四隅を測ってステージの傾き方向を調べます。
原点は左手前としましょう。この位置まで軸を動かして、Z軸を調整しておおよそ200um押し込んだところで止めます。


この状態でXY軸を動かしてMDFの4すみにゲージの先端を持っていき、その時の値を見れば、この原点からの相対的な高さの違い、すなわちステージの傾きがわかるという寸法です。


まず右手前。
ほとんど動いていないように見えますが、ゲージの11時の位置あたりにある小さな針に注目ください。減点で2だったメモリが4になっています。つまり200umゲージが押し込まれた、すなわち原点に比較してこの点は200um高いということです。
これで、ステージの前の部分は右上がりに傾いているということがわかります。


次にY軸を手前に出してゲージをMDFの右奥にスライドさせます。
この位置では小さい針が1を切り、大きな針が85くらいを指しています。今度は原点に比べて100umくらい下がっているようです。


大きな針は1回転で200umです。


お次、左奥。
ここは0点よりも低くなり、測定できなくなりました。そうとう下がっています。
この時点で、ステージは右手前が最も高く、左奥が最も低くなっており、その差は実に400um以上、0.5mm近く傾いてることになります。これはひどい。
プリント基板が一般的に1.6mmくらいの厚さですから、このずれでは基板加工なんて出来っこありません。


ということで、調整です。
まずはステージ裏のリニアブッシュの固定部分を増し締めします。手前の二つが結構ゆるかったのでしっかりと締め込みました。3Dプリントパーツなので一抹の不安がありますが。
で、気を取り直してもう一度測定します。


原点をだいたい200umに合わせて、


右手前。まだ200um以上上がっています。


右奥。ここは先ほどと変わって原点より高くなりました。150umくらい高い。


全体的に右が高いことがわかりましたので、Y軸をいじるかX軸をいじるかしばし考えた後に、X軸をいじることにしました。
二本のシャフトを固定しているシャフトホルダのねじを緩めて、シャフトの左側を少し下げます。ゲージを見ながら、原点が200um低くなるように調整しました。


これでステージとX軸が並行になってくれるといいのですが。
もう一度同じように測定します。原点を200umに合わせて、


右手前、やっぱり200um高い。


右奥、こちらも150um高い。何にも改善されていませんね。


左奥、ここも原点から100um下がったままです。


足りないようなので、X軸の左側をもう少し下げます。


もう一度測定。


またぴったり200um高いです。まるで測ったようだ。


こっちもほとんど変わってません。


ここも。


ということで、あんまり効果がありません。
しかし、あんまり軸をいじると歪が大きくなりすぎますのでこれくらいにしておいた方がよいと思われます。
で、しばし考えて、実に古典的な解決策を取ることにしました。MDFの下に200um厚さの紙を敷き込みました。これなら間違いなく左が200um高くなります。そして左奥には100um分の下敷きを入れました。


またまた測定します。


原点。200um。


右前。おおおお、+20umしかずれておりません。優秀。


右奥、-40um。まあ許容範囲です。セロテープ一枚分の誤差です。


左奥。-15umくらい。これも十分合格です。


ということで、誠に力技ではありますが、アルミステージを調整するのではなく、その上に乗せる捨て板で調整するという方法に落ち着きました。
が、これでは捨て板を代えるたびに調整しないとずれが怖いです。ということで、ゲージをZ軸に簡単に固定できるようにしておくことにしました。そうすれば、スピンドルのモータを外さなくても簡単に調整を行うことができます。

Z軸のじゃまにならなそうなところに目印をつけて、


使っていた金折をタッピングで固定してしまいます。


取り付けました。


要らないときはゲージを跳ね上げておけば邪魔になりません。


これで切削の準備は整いました。
早速何か削ってみましょう。

6 件のコメント:

  1. こんにちは、いつも楽しく拝見させていただいております。(^_^;)
     捨て板の水平出しは、捨て板をルーターで基板が入るサイズより大きく削り、基板を両面テープで貼り付けます。
     ソフトは、私の場合、発注(外注)しないので「MBE」でガーバーを吐き出し「FLATCAM」でG-CODE化します、部品面のG-CODEを「NCコンバーター」でDXF化し、「JWW」に読み込んで「疑似線文字 for JWW Version 0.07」で、部品名等を書き込み、NC加工が終わった基板にレーザーで焼きます。
    ICのピン間(2.54mm)にパターンを通さないようにレイアウトすると0.8mmのルーターで、部品のピン穴、パターンの切削、基板の切離し まで一発で可能です、(足が太い部品については、手作業で拡大)
     参考になれば幸いです(^_^;)

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    1. 訂正
       正 部品面のガーバーデータを
       誤 部品面のG-CODEを

      でした、すみませんm(_ _)m

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  2. はじめまして。
    いつも楽しく有益な記事をありがとうございます

    登校の内容と関係なくて恐縮なのですが、色つきのプリント基板(レジストの色が緑以外→赤、紺、黒)をジャンクで入手したいのですが、よい経路をご存じないでしょうか

    インテリアの自作をしたいと思っているので、動作の有無は一切関係なく、チップ部品が多いといいなぁ、、、という程度です

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    1. 匿名さんありがとうございます
      残念ですがお力にはなれません。わたしもよい経路は思いつきません。最近は赤紺黒いずれも見かけますが、ジャンクとなると思いつきません。私が目にするジャンク基盤は全部緑色です。
      基板だけならaitendoに黒い奴や紺色のやつが売ってます。部品も実装されてないし、一枚100円はしますからご要望の用途には会いそうにありません。

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    2. みら太さんresありがとうございます。

      やはりそうですか、、、ジャンクではないのですね

      ちなみに、よく見かけるというその基板はどういったものなのでしょうか

      aitendoの件ですが、秋葉まですぐにいけるので今度覗いてみたいと思います(最悪適当なチップを自分で実装?)

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    3. Elecさんでいいのかな。

      よく見かけるというのはaitendoでです。
      この辺りに通販品の写真がありますのでご参考まで。
      http://www.aitendo.com/product-list/449
      たまに店頭価格で新品基板が一枚20円とかで売られていることがあります。
      一度のぞいてみてはいかが。

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