2017年5月27日土曜日

みら太な深圳華強北の旅

 
みなさま「芋粥」というお話をご存知でしょうか。
芥川龍之介の短編小説であって、教科書にも採用されることが多いのでご存知の方も多いのではなかろうかと思います。原文は青空文庫あたりで見てください。
Wikipediaによりますと、そのあらすじは
「時代は平安時代の元慶か仁和年間の頃。主人公の五位[2]は摂政藤原基経のもとに勤務する、風采のあがらない40歳過ぎのの小役人である。彼は才覚もなければ見た目も貧相で、日ごろ同僚からも馬鹿にされ、道で遊ぶ子供に罵られても笑ってごまかす、情けない日常を送っている。しかしそんな彼にも、あるひそかな夢があった。それは芋粥[3]を、いつか飽きるほど食べたいというものだった。
ある集まりの際にふとつぶやいた、その望みを耳にした藤原利仁が、「ならば私が、あきるほどご馳走しましょう。北陸の私の領地にお出でなされ」と申し出る。五位は戸惑いながらその申し出に応じ、彼に連れられて領地の敦賀に出向く。しかし、利仁の館で用意された、大鍋に一杯の大量の芋粥を実際に目にして、五位はなぜか食欲が失せてしまうのであった。」
考えさせられるところが多い、実に深い内容であります。

投稿に書きましたように、先週は仕事で中国の深圳に行っておりました。
深圳といえば言うまでもなくこの地球上のモノ作りの中心地であり、そのまた中心が華強北であります。
華強北についてはネットに幾多の訪問記があり、ニコニコ技術部のツアーが組まれるなど、Makerのみな様を引き付けて止まないあこがれの地となっておりますのはご存知の通り。私も「いつかは」と思っておりましたところ、今回仕事で訪問する機会を得ましたので、水曜日の業務終了後、夕方のひと時を華強北めぐりに充てました。
その結論が「芋粥」であります(笑

さて、皆様深圳についてどの程度ご存知でしょうか。
私はほとんど何の予習もなく現地に赴き、仕事先の方から「深圳の人口1000万人以上」と聞いてめっちゃ驚きました。周りにも300万人規模の横浜クラスの市がぼこぼこありますし、すぐ南には人口700万の香港があります。つまり隣接する市を合わせると軽く関東圏の人口を突破するということです。これだけ聞いてもものすごいところであることがわかりますよね。

ということで、まずは華強北に向かいます。
深圳市内の地下鉄はこんな感じになっています。どこの駅でも表示がしっかりしていますので迷うことはまずないと思われます。


券売機はこれ。タッチパネルになっています。目的地さえはっきりしていればこれも迷うことはありません。
ただ、受け付けるのが5元札(80円くらい)と1元玉だけということで、10元札以上は窓口で両替する必要があります。SUICAっぽいカードもありますので移動が多い時には買っといても良いかもしれません。(要デポジット)


料金のイメージは、東京から池袋あたりまで山手線に乗って5元、新宿渋谷まで回ると7元というくらいですかね。JRの半額くらいかな。安いです。
お金を入れると出てくるのはこのプラスチックのコインです。これがICタグになっていて、改札でタッチすればゲートが開きます。


ホームも電車も非常にきれいで新しいです。表示もしっかりしており、あちこちにある中途半端に意味が分かる漢字表示もあいまって、あんまり異国を移動しているという違和感がありません。
駅はずべて完全なホームドアがあります。ゆりかもめの駅みたいな構造。
交通インフラは新しく整備されているだけあって世界中の経験が集積している感じです。ほとんど問題を感じさせません。



車内表示。どこにいてどっちに向かっていて、といった情報がわかりやすく出ますので安心。アナウンスも中国、英語の二か国語で行われます。ただこのアナウンスが曲者で、例えば華強北は中国語では「ファーチャンペイ」といった発音になりますが、英語のアナウンスでは「Huaqiang North」となり、ファーチャンノースという発音になります。土地名ですから現地の読みそのままでいいと思うんですけどね。ほかにも「~岡」が「~Hill」といった読みになったりしますのでぼーっとしていると乗り過ごします(笑



今回は訪問先の帰りに寄ったので、華強北駅のある二号線の南側を走る一号線の華強路から電気街に入りました。



ちなみに、宿は華強路の三つ先の老街というところ。ここも面白かったのであとでちょっと紹介します。
上り下りや乗り換え線の表示も日本と同じ思想。


わかりやすいですね。


では行きます。


出口は北側が良いです。まあどこに出てもおんなじですが。


出たとこ。すっきりしていてきれいな街です。




どの建物も外見はすっきりしていますが、中はカオスの一言です。


動画を何本か。




どれも同じような動画ではないか、と言ってはいけません。全部別々のところです。
どのビルのどの階に行ってもこの感じなのです(笑

例えばねじ屋。


よくわからん機構部品屋。


線材屋。


ケーブル屋。


数少ないながら、たまにこんなCNC屋もあったりします。


電池屋。


フロア見下ろし。このアングルはよくほかの探訪記にもありますね。吹き抜けにSAMSUNGの垂れ幕が下がっているビルです。


サイネージもたくさん。


一つのビルに1000を超える店が入っており、そんなビルがおそらく10棟以上あります。
どの建物一つだけでも秋葉原の規模を軽々と超えております。


全く頭がくらくらします。
ブレードランナーという映画をご覧になった方は多いと思いますが、正にあの街のごちゃごちゃした雰囲気そのものであります。
外はこんなにすっきりしているのに(笑





ビル一つ見るともうおなか一杯どころか、食傷気味になりますが、せっかくですので別のところも回ります。


見つけました(笑 これが何かわかりますかね。
Aliexpressで箱モノを買ったことがある方ならピンと来るかも。そうです。あの段ボールをぐるぐる巻きにしているテープです。ここに売ってました(笑


中古プリンタ屋。


ジャンクノート屋。店主の顔が見えん。


と思ったら、諸行無常の一角も。




もう一軒、いやもうひとビル。


 やっぱりおんなじ感じです。もう飽きてきた。


数百メートル歩くと華強北の駅です。秋葉原から末広町位かな。この先もまだまだ続きます。電気街は縦横に広がっていて、秋葉原というよりは銀座の街並みをイメージしたほうがいいかもです。あれが全部ハードウェアです。しかも萌え要素は一切なし。漢気溢れるハードウェアのみです。メイドさんもいませんし、フィギュアも売ってません。



もう一軒、と思いましたが、力尽きました。もうおなか一杯であります。というか、一軒目のワンフロアですでにおなかいっぱいなのです。


これだけの店が成り立っているということはそれだけの客がいるということです。もちろん直接店頭に来る客だけではなく、ネット販売も多いんでしょう。
Aliexpressになんであれほどの数の「Shenzhen~」という名前の店があるのだろうと思っていましたが、実店舗はそれをはるかに遥かに凌駕する数でした。


夏祭りなんかに行きますと、お好み焼き、焼きそば、タコ焼き、串焼き、イカ焼き、リンゴ飴、くじ引き、射的、カステラ、フレンチドッグ、フライドポテト、唐揚げ、等々たくさんの種類の屋台が出ていますが、規模の大きなお祭りになるとある程度店の種類がループするようになりますよね。あれの100回転版位といえばいいでしょうか。
一種類ずつでもいいから秋葉にあればいいのにと思います。




「過ぎたるは~」あるいは「芋粥」などというキーワードが頭の中をめぐりつつ探索を終えました。
ちなみに売られているものの値段ですが、私たち日本人が行くと高いです(笑
ほとんどのものに値札なんかありません。さらにまず英語は通じません。日本語の方がまだましかもしれません。筆談できれば大丈夫かな。さすが漢字文化は強いです。
で、なんとか「これはいくらなんだ」と伝えると、じーっと顔を見て値段を言われるか、電卓叩いて値段を表示されます。大体高いです(笑
ここで交渉が出来ればいいんですが、なかなか難しいですよね。
私もせっかく来たのでなんか買って帰ろうと思って、M5 キャップボルト 長さ10mmという条件で何軒か交渉してみました。そう、この投稿の上の方にあるねじの袋売り(2万本)をしているような店でです。
一番安かったところで70元。1120円というところ。悩ましい金額でしたが、Aliexpressですでに発注しているこちらと比べるとやはり高いです。


AliExpress.com Product - 100pcs Stainless steel round head hex socket screws M5*6/8/10/12/14/16/18/20/25/30 mm Round head bolts mushroom head bolt

これのM5 10mm が$6ですから、670円というところ。倍とは言いませんが、それ近いです。
ということで、記念品、または通販では手に入らない中古品や怪しい系は買っても良いと思いますが、それ以外ならAliexpressにしといた方がよさそうです。華強北現地は見物中心と考えておくとよいですね。いや見物だけでも十二分に楽しめるはずです。世界にはこんなところがあるのだという驚きは得られるはず。
おそらく、今回見た店の多くがAliexpressにも出店していると思われます。夕方ということもあってか、通路中に発送用の箱が積み上げられ、あちこちで例のテープがバリバリと音を立てながらぐるぐる巻きを作っておりました。

以上華強北でした。
とにかく想像をはるかに超えています。深圳にないパーツは地球上にはないと言われるらしいですが、その通りと思います。そもそも深圳を回って捜しているパーツが無いことを証明することが不可能であります。それくらい店が沢山あります。片っ端から回っていても1週間やそこらで回りきるとはとても思えません。さらに回り終わるころにはスタート地点の店の商品は入れ替わっている、あるいは店ごと入れ替わっている可能性があります。これではいつまで経っても探索が終わりません。悪魔の証明です(笑
コンデンサだけ、電解コンデンサだけを扱う店なんて当たり前で、探したら耐圧16V品専門店とか、10uF専門店とか見つかりそうな勢いです。
しばらくここ関係のしごとが続きそうですのでまた深圳には来ることになりそうですが、電気街はもういいかもです。消化不良を起こしました。今度来るならもう少し絞り込んで攻めるか、北西にある沙井電子城のメカトロニクスパーツと工具の街に行ってみたいです。

おまけ。老街編。
老街は華強路から地下鉄1号線で3駅です。典型的なダウンタウン。食べ物屋さんが沢山。
ケンタッキーチキンや、マック、H&Mといったなじみの店もたくさんあります。が、町は臭豆腐くさいです(笑

付近のビルには面白いおもちゃ屋というか雑貨屋が集まっており、そこをめぐるのもまた面白かったです。
どこにでもいるくまモン。まあオリジナルに近いですかね。


こんな感じの店が沢山。ガジェット、おもちゃ、衣類があると思えば、すぐ横でドリアン切って売ってたりします。においが強烈です。


華強北は一人で回りましたが、老街はいっしょに出張したメンバーと回りました。


メンバーの一人は中国ネイティブなので怖いもの無しであります。



老街の町はこんな感じ。平日の夜ですが人だらけ。


遠くのビルにプロジェクションマッピングが投影されていました。
動画で。


正にブレードランナーの世界。





カエル料理。骨が多くて食べにくい。
他にもゲンゴロウが6匹くらい刺さった串焼きとか、タツノオトシゴとかありましたが、とても食べる気にはなりませんでした。


で、結局買ったのはコレ。ハンドスピナー。
左が40元、右が30元。これは値切って買ったやつです。現物を回して一番いい奴を買ったのですんばらしいです。左のやつは5分以上、右のやつも4分半くらい回ります。


ということでおまけの老街でした。
仕事の方はなかなかハードな話になりそうですが、頑張りたいと思います。

2 件のコメント:

  1. お疲れ様です、じゅんです。

    まさにお腹いっぱいって感じですな。
    どのビルでも音楽とかラジオとかかかってなくて静かなんですね。
    日本のようにもっとワイワイにぎやかなのかと思ってました。
    一つ一つのお店は、昔のアキバにあったお店のように
    一見さんお断りな独自の緊張感がありますね。

    近年の秋葉原はどんどんアニメ、オタク系のお店が多くなって
    古くからのジャンク屋さんやパーツショップさんが少なくなって
    怪しくて面白そうなものがずいぶんなくなってきましたが
    いっぱいありすぎて興味を失ってしまうよりはパランスがとれて
    丁度いいのかもしれません。

    老街はなんか逆に落ち着きますね。
    ごちゃごちゃしてるのに(笑)。

    お仕事大変そうですね。
    あんまり無理はなさらないように。

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    1. じゅんさん、おなか一杯です。というか芋粥です。食べる前から食べる気が失せるという。
      音楽かかっているところもありますが、そこはスピーカーを売っているところです(笑 それ以外のところは話し声と荷造りをするときのテープのばりばりという音だけが響いています。
      遊びに行くなら華強北は楽しいところです。買い物なら全体を把握できる秋葉あたりがちょうどいいんじゃないですかね。
      もっとジャンク屋が欲しいのは同意です。国際ラジオ(國際ラヂヲかな)みたいな店が欲しいですね。
      仕事はじゅんさんこそ無理なく!

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