2017年5月20日土曜日

DAISOのUVレジン

 
ついに100均のUVレジンを入手しました。
ずっとネイルコーナーのところを捜していたのですが、手芸コーナーにありました。しかも二種類。
こちら。ハードタイプとソフトタイプと書いてあります。いずれも5g。


ソフトタイプはただの樹脂だけのようですが、


ハードタイプにはラメが入っているとのこと。


太陽光で硬化させよとの指示になっています。ひょっとすると波長の情報とかあるかなと思っていましたが、さすがに何もありません。女子用。


実験すればすぐにわかりますのでやってみます。
ハードタイプをアクリル端材の上に出してみます。ラメ入りとのことですが、ゴテゴテしているわけではないです。よく見るとキラキラした微小な何かが見えます。粒が邪魔になるような感じでもないです。ラメの存在は特に気にしなくてもよさそうです。


ここに爪楊枝置いて、硬化の具合を確認できるようにします。


一般にUV樹脂の硬化は、中に混合されている硬化剤が光励起によって分解してラジカルを生成するなどし、これによって樹脂に混合されているモノマーの重合が始まることで起こります。
硬化剤の分解は光励起によって生じますので、活性化エネルギーを超える値の光を当てる必要があります。光のエネルギーは周波数に比例し、E=hνの関係があります。つまり、波長が短くなるほどエネルギーは大きくなっていくということであり、紫よりも紫外線の方が一光子あたりのエネルギーが大きいです。
一方で、活性化エネルギーを超えないと重合が始まらないということは、活性化エネルギー以下の波長ならどんなに強い光を当てても重合は始まらないということも意味しています。これは、アインシュタインがノーベル賞を取った光電効果の主要な説明でもあります。
UV硬化樹脂にとって照射される光の波長は非常に重要なのです。

ということで、まずこの紫外線LED。aitendoで買いました
aitendoの説明では、このLEDの中心波長は395-400nmということになっています。
が、同じ型番で調べると、こちらには410-415nmなどという記載もあります。つまりよくわからんということです。



とにかくやってみましょう。だいたい20mA流れるようにして、


照射します。


結果、30秒くらい当ててみましたが全く硬化しませんでした。



次にこの405nmの紫レーザポインタの光をあててみます。このLDはBDドライブ用に大量に作られたものが使われていますので波長は正確です。またレーザですので波長範囲も非常に狭くなっています。パワーは5mWですが、硬化の有無を確認するにはこの程度でも十分です。



写真は割愛しますが、これもダメでした。一度やってダメだったので1分以上当てましたが、まったくでした。重合開始剤の活性化エネルギーを超えていないものと思われます。

最後はこれ。私が持っている最も短い波長のLEDです。かなり前に購入したので一本でこんな値段がしました。袋にナイトライドと書いてあります。ナイトライドというのは紫外線一筋の徳島にある会社の名前ですが、窒素化合物という意味でもあります。
紫外LEDも青色LEDもともにGaN(ガリウムナイトライド)の結晶を元にして作られています。白色LEDはこのGaN系のLEDに黄色の蛍光体を被せ、青とその補色である黄色を組み合わせて白い光を作っています。GaN結晶のバンドギャップは赤LEDなどを作っているInGaAsP系の材料に比べて大きいので、青と白のLEDのVfは赤のそれよりも高くなっているのです。赤LEDのVFは1.6Vとかですよね。それに比べて青や白は3.4Vとかあります。
バンドギャップが大きいということは、そのエネルギー差が大きいということであり、それすなわち赤と青の波長の差、先ほど説明したより短波長がより大きなエネルギーをもつという説明と整合します。赤の波長は630-650nmあたりと青や紫に比べて長いです。

ということで、この秘蔵のLEDの中心波長は375nmです。


結果、この通り。30秒の照射で見事に硬化しました。少なくともこの程度以下の波長の光を当ててやる必要があるようです。


硬化することさえわかれば早速実験であります。
UV硬化樹脂は、定礎キーホルダのところでChoitechさんに教えていただいたように、レーザ彫刻したくぼみを埋めて意匠性を追求するために買ったものですが、そのほかに「高価なUV接着剤の代用品にはならないのか」という邪な期待を確認するという目的もありました。早速実験します。

アクリル板の端材に、


UVレジンを垂らし、


もう一枚のアクリル板で挟んで、


375nmのLEDの光を照射します。


今回はLEDからの光は直接UVレジンには当たりませんのでより長時間の照射が必要です。アクリル板は可視光をよく通しますが、紫外域になると急激に透過率が下がります。この辺りにグラフがたくさんあります。400nmを下回ったあたりから垂直な崖のように透過率が下がっていきます。ということで、人間の目には透明に見えるアクリル板も、この波長域で使うときは注意が必要です。サングラス越しに光源を見ているような状態を想定する必要があります。ので、十分に長く照射します。この実験では6分としてみました。


まずハードタイプ。あっさりとれちゃいました。もう少し当てたら違ったのかもしれませんが、剥離したUVレジンの表面は完全に硬化してつるつるです。あんまり期待できる感じではありません。


お次、ソフトタイプ。


これはうまくいきました。こんな透明な状態ですが比較的しっかりしています。
無理やり力をかけると外れますが、その時もハードタイプのような「ぽろっ」ではなく「メリメリッ」という感じで粘りがあります。
このUVレジンだけを使って強度を確保するというのは無理があると思われますが、アクリル板に爪を作って勘合させた部分の強化のために使うといった用途なら十分に使えると思われます。しかもこの透明感。アクリルに傷があっても埋まると思われます。アクリサンデーで完全固定をする前の仮固定にも活躍しそうです。


接着面積の少ない端面接合もしてみました。


こちらも十分な強度。爪ではじいても、放り投げてもびくともしません。


ということで、硬いレジンよりも柔らかいタイプの方が粘る分接着作用は大きいようです。


結論として、UV接着剤の完全代替は無理ですが、ある程度の用途はこれでカバーできると思われます。なんといっても5gで100円であります。UV接着材の1/10以下です。
UVレジンとエポキシ接着剤を混合して使うといったことも考えられますね。いろいろと遊べそうであります。しばらく実験してみたいと思います。

2 件のコメント:

  1. ソフトタイプにそんな使い方が!!目から鱗にございます
    試作品の仮留めにマスキングテープ多用してたんですが
    アクリルの表面侵さないならUVジェルの方が便利そうですね
    テープだらけの小汚い試作品展示しないで済むかも(T▽T)
    因みにダイソーレジンは375nmでも微妙に硬化しきらず
    ベタつくことがありますがセリアのレジンだとベタつき率低めです
    まぁ太陽光に数分当てればダイソーのもカッチカチですが…
    光源は硬化不良上等になりますが100均のお手軽UV(シークレットペン)で
    頑張ってる人も居るみたいです
    http://zeak.air-nifty.com/main/2007/06/vs_a3ac.html

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    1. Choitechさん、アクリルの表面を侵さずほぼ完全な無色透明というのは場所を選べば使えるとおもいます。表面を侵さないということは接着もしないということのような気もしますが、密着はします。
      セリアのレジン捜してみます。その前にでかいセリア探します(笑
      光源はその後もう一つ試してみて、385-390nmというやつでも行けることを確認しました。これはたくさん持っているので硬化ボックスを作ることが出来そうです。結局Aitendoの表示がいい加減だったということのようです。まあAitendoですしね。あの値段なら文句はないです。
      それにしてもUVレジン面白いです。しばらく楽しめそうです。

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