2017年5月28日日曜日

DINレールを使ったスライド機構

 
皆様DINレールというのをご存知でしょうか。
電機工事士の資格をお持ちの方や強電関係のお仕事の方は日常的にお使いと思います。
こんなやつです。見たことあるでしょ。


制御盤の奥の板にねじ止めされて、そこにリレーやらタイマーやら端子台やらが取り付けられているあれです。


こんなやつ


DINレールはドイツの工業規格由来の取り付けレールでして、機器類のレール取り付け部分の構造が規格化されています。
こんなベースです。ばねでレールに喰いつくようになっていて、左右にスライドできます。隙間にがちっと押し込んだり、左右に動かして隙間を開けたり、レイアウトに自由度がある便利なものです。


なんでこんな話をしているのかというと、これをよく見ていてMAKER Slideの代わりになりそうな気がしてきたのです。
現在自作3Dプリンタの構造を片持ちから門型に変えようと思っていて、何か新しい面白いアプローチは無いものかと考えていたところでした。そんなときにDINレールを使ったスライド機構を使うことを思いついたのです。

MAKER Slideの説明をしましょう。こんなやつです。


よく見るアルミフレームの一部がV溝付きのベアリングにぴったり合うような形になっております。ここにV溝ベアリングを上図のように噛みつかせると簡単にスライド機構を作ることができます。
しかしながら、このMAKER slideは国内では手に入れることが難しいです。また米国通販もトンデモない値段がします。
ということで、非常に便利なものですがケチ知恵と工夫で楽しむみら太な日々的には使いにくい材料です。
MAKER slideの代替機構としてはVslotがあります。こんなやつ。


Vslotについてもみら太な日々的な代替案を提案しておりまして、これについては以前投稿を行いました。現在も検討を続けています。今のところこのVslotっぽい奴が最も安く手に入ってそこそこの性能を持っているスライド機構だと自負しておりました。
が、今回思いついたのはそれよりもはるかに安くて、しかも簡単に手に入れられるものになる可能性があります。

DINレールの断面はいくつかのバリエーションがありますが、おおむねこんな形をしています。



上部の一番幅が広い部分は35mmあり、厚さは1mmです。ここは制御盤の機器類が噛みつくところなのでどのDINレールも同じ寸法で正確に作られています。この部分をスライドに使おうというのが今回の発案です。
こんな感じにU溝のベアリングを滑らせます。


ステージは、例えば3つのベアリングを使ってレールを挟み込んでから、


このように一枚の板でつないでしまえば出来上がりです。実に簡単。ベアリングが噛む部分はレールの端にありますのでオーバーハングも極小です。強度的にもサイズ的にも有利で言うことありません。


もちろん縦でも横でも使えます。荷重がかかる場合はスラストベアリング使うなど工夫がいるかもしれませんが、3Dプリンタやらレーザ加工機やらであればまず普通の深溝ベアリングで問題が起きることは無いでしょう。


問題はレールの端面にガタなくU溝ベアリングが噛み込むかというところで、これは実験してみるしかないと思います。


スライドステージが出来れば、あとはモータつけて、


反対側にプーリーつけて、


ベルトかければスライド機構が完成します。


よく使われる6mm幅の2.5TのベルトであればこのようにDINレールの溝の中をくるっと回すことができると思われます。


非常にコンパクトにスライド機構を作ることができます。
DINレールの強度に不安がある場合は、アルミフレームでバックアップしてやればいいでしょう。DINレールには中央にねじ止めのM4穴やスロットが開いていますのでアルミフレームへの取り付けも非常に簡単です。


ということで、我ながらなかなかおもしろいことを考えたなと自画自賛しております。
なんといっても安いです。モノタロウで見てみると、DINレール1mで500円くらいしかしません。また、U溝ベアリングはAliexpressが安いです。とりあえず実験のために私が注文したのはこちら。


20来で約$10なので、一つ50円ちょっとというところ。
定尺のDINレールとこのベアリングが3個、プーリーやらベルトやら必要ですが、モータを除けば1000円もかけずに1mのスライド機構が作れることになります。
周辺パーツも全部Aliexpressで買うことができます。


DINレールは肉厚が薄いので切断も簡単です。金鋸でもバンドソーの類でもいいでしょう。専用切断機は高いですが、店頭買いであれば切ってくれるところがあるかもです。
ネット通販であれば、定尺切り売りはこの辺りに、また素人を相手にしてくれるかわかりませんが、サイズ指定の切り売りもここに見つけることができました。
ということで、ぜひぜひ実験してみたいと思います。
うまくいったらこのアイデアをベースに3DプリンタやらじゅんさんのXYステージやら組んでみたいですね。

5 件のコメント:

  1. 海外長期出張ご苦労様です。食事と睡眠は取れていますか?くれぐれもご自愛ください。
    話は変わりますが、DINレールにはアルミ製と鋼鉄製のメッキタイプがあります。またDINではありませんが端子台用レールというものもあります。短い使用には問題無いとおもいますが、長いとねじれ方向に剛性が無いので振動がでるかもです。
     切断には高速カッターが便利です。弓鋸でも切れますが、斜めになります。

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    1. 老技師さんありがとうございます。出張といっても数日ですし、時差一時間なので何ともないです。
      アドバイスありがとうございます。確かにアルミのDINレールは華奢なので剛性には気をつけたいところです。でも加工は楽そうなので魅力的なんですよね。
      基本的にはエッジの構造だけ使って剛性はバックアップで確保するという作りにすべきだろうなと思っております。
      一台作って使ってみればいろいろヒントが得られると思っております。

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  2. いつも楽しく読ませて頂いております。
    みらたさんのレーザー加工機自作を見て非常に興味を持ったので私も今設計しているところです。
    その中に同じようにある程度強度のあって入手しやすくて安い(←重要)ステンパイプをV字ベアリングでテンションを少し掛けて挟み込みスライドさせる機構を考えています。
    実際にうまく動けばいいのですが・・・

    レーザー加工機が完成すれば製作記として動画をUPする予定です。

    これからも陰ながら応援しております。

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  3. こんにちは

    DINレールは仕事で良く使いますが、そういう発想はなかったです。

    みら太さんが検討されているDINレールの幅は35mmですが、
    15mmの幅の物もあるので、うまくいけばデルタタイプに
    も応用できそうですね。

    実物を見るとベアリングが接触する幅が薄いので
    V-groobeタイプでも良いかもしれませんね。
    結果を楽しみにしています。

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    1. こばたいしょうさんどうもです。
      マルツで見つけました。
      https://www.marutsu.co.jp/pc/i/86392/
      こんなのあるんですね。小さいベアリングと組み合わせたいところです。手に入れてみましょう。
      ありがとうございます。

      それからV溝の件同意です。実はV溝ベアリングも丸と一緒に発注してあります。今週には届くんじゃないかと思っております。
      いろいろ夢が広がりんぐです。

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