2019年9月23日月曜日

レーザ加工機 参号機の解体廃棄

 
みら太な日々の歴史はレーザと共にあります、というと大げさですが、今はやりのMAKERムーブメントの神器である3Dプリンタ、CNCルータ、レーザ加工機の中ではレーザ加工機に最も近いところを歩んできたように思います。レーザ加工機>3Dプリンタ>>CNCルータの順番で、ついにというかようやくというかCNCに興味が向いてきたところです。

思えば、みら太な日々がレーザ加工機に言及した最初は2012年12月30日のこの投稿で、無謀にもフルスクラッチ、つまりCO2レーザ管から作ってレーザ加工機を目指すというものでした。我ながらアホかと(笑
当時はまだ国内ネットにレーザ加工機自作(CO2レーザ管は買うとしても)の例はほとんどなかったと思います。

まあ、レーザ管自体の自作がそうそううまくいくはずも無いのですが、そのころはなんも知らなかったのでこんなセットアップで放電したりして遊んでました。


高電圧源は当時リサイクルショップや解体屋に山ほどあったブラウン管テレビから外したフライバックトランスでした。これを555で作ったバイブレータで叩いて高圧作ってました。結構簡単にきれいな放電ができたので非常にうれしかったのを覚えています。


レーザ管を構成する重要な部品にミラーとハーフミラーがあります。これらで光共振器を作ってレーザ発振をするためのものです。
で、このハーフミラーを作るためにスパッタリングで銅の表面鏡を自作しようと思い立ったあたりからだんだんと逸脱(笑)していって、しばらくはスパッタリングメインの投稿になります。2013年の上旬。
その間を縫って少しずつレーザ管の試作も進みますが、今から考えるとこんなので連続で動くCO2レーザ管ができるわけないんです。それでも当時は結構真剣にやってました。
で、銅スパッタもそれなりにできるようになってきて、進化したレーザ管と共に最終的な管の形に進んで、いっちょ前に光共振器の調整などしつつ、レーザガスの調製に進みました。CO2レーザ管の中に封入されるガスはCO2だけではなく、というかむしろCO2は少数派で、多くを窒素やヘリウムが占めています。ヘリウムはさすがにどうしようもないので風船用のボンベを買いましたが、CO2と窒素はみら太な日々らしく100均の素材を駆使して自分で作りました
その後、レーザ管を抜本的に作り直し、ようやく金属とガラスメインのまともな形に近づいていきました。で、構想から約1年後についにレーザ発振を達成しました。

当時、海外には自宅で自作CO2レーザを発振させたという報告はYoutubeに数例上がっていましたが、日本にはまだなかったんじゃないかなと思います。もちろん大学の研究室なんかでは普通に作ってましたし、CO2レーザ自体が非常に発振させやすく作りやすいレーザでしたので、やろうと思えば誰でも出来たんだとは思いますが。
ようやく達成した発振は非常に弱く、レシートを焦がしたり、ちょっとだけ穴を開けた程度でした。おそらく数百mWだったんじゃないですかね。

レーザ管を自作するという試みはここで一旦停止しました。このまま続けてもとても加工に使えるような安定した発振を維持できるレーザ管ができるとは思えなかったのです。ですが、それにそのころから使い始めたAliexpressに安いCO2レーザ管が出回り始めたというほうが辞めた理由としては大きいかな。
レーザ管から作るレーザ加工機自作は結局完成には至りませんでしたが、その過程で得た知識と経験と情報は、その後のレーザ加工機自作に大きく役に立ちました。レーザ発振にここまで苦労しますと、レーザ管以外の加工機の構成がえらく簡単に見えてきます。「レーザビームさえ出てくれば後はそれを反射させてレンズで集光するだけやん」という気になるのです。
ということで、CO2レーザ管の発振については今も興味を失ってはいませんが、ほかにやりたいことが多すぎてなかなか順番が回ってきません(笑

Aliexpressからレーザ管と電源を購入したのは、2013年の年末でした。
直ちに設計に着手します。この当時はSketchUp使って設計してました。壱号機はXYステージが独立したレーザ加工機ではほとんど見かけないタイプのものでした。
こんなやつ





部品はそのころ手に入れた3Dプリンタで作りました。reprapのmendelです。



参号機まで引き継がれたキャリッジの基本構造。


完成形。木とプラスチックでできたレーザ加工機。筐体もありません。ぱっと見てもこれがレーザ加工機とはとても思えないですよね。


こんな物でもちゃんと加工ができましたよ。いろいろ切って遊びました。
自宅にレーザ加工機がある便利さ、思ったものをすぐに作ることができる喜びを知ったときです。思えばこの辺で引き返せない沼に足を突っ込んだような気がします(笑


この自作レーザ加工機壱号機が完成したのが2014年2月で、3月にはすぐに改良型の加工機の構想に着手しています。我ながらすごいやる気だなあ。

で、この時に設計して作ったのがその後5年間にわたって活躍し、今回分解廃棄された参号機です。
構想から完成までの投稿を以下にまとめておきます。約半年間のプロジェクトでした。
こういった形での投稿のまとめは初めてやります。考えてみたら結構な記録です。ちゃんとまとめて技術書典とかに出すことも考えてみるかな。



こんだけの時間をかけ、努力をしてきた参号機です。愛着が無いわけがありません。
分解しながら、非常に寂しい思いになりました。そんなこともあって頑張ってリンクをまとめ、参号機の記録を確かなものにしたかったのです。

では行きます。



上カバーは乗せているだけで、メンテナンス時には簡単に外せるようにしていました。
外すと駆動系が丸見えになります。


X軸駆動モータ。何かのプリンタから外したステッピングモータです。


Y軸駆動モータ。こちらは確かEPSONのスキャナから外したやつ。


Y軸駆動はアルミシャフトで左右に振り分けられています。


40WのCO2レーザ管。


第一ミラー。完成当初はHDDのプラッタでしたが、この時にちゃんとした金スパッタミラーに置き換えました。


第二ミラーはプラッタのままです。十分に使えました。


キャリッジ。


アルミCアングルを加工した部材に乗ったZnSeレンズ。


第三ミラーはABSのマウントに乗ってますので、加熱した時のためにヒートシンクを背負ってます。


昇降ステージ下の空間。約50mmの上下ができました。昇降ステージのおかげで材の厚さを変えても一発位置決めができて非常に便利でした。trotecなんかの加工機では当たり前ですが、中華加工機にはあまりついていない便利機能でした。


昇降に使うモータは二つで、いずれもEPSONのインクジェット複合機から外したものです。


ステージ。ハニカムが高価で手が出ませんでしたので、換気扇フィルター用のアルミパンチングを流用しました。それなりに使えましたよ。


各部からの配線は筐体横の端子台に集約されていました。


まずレーザ管から外していきます。



レーザ管ホルダは本物をまねた三点支持のデザインになっています(笑


外れました。


もちろん次号機で活躍してもらう予定。


キャリッジ分解します。


リニアブッシュとはインシュロックでつながっているだけなので、切れば外れます。このあたりはreprapの3Dプリンタの賢い構造を参考にしました。


X軸分解完了。


Y軸分解完了。


昇降ステージを外します。


とことんまでMDF使っています。お金かかってないでしょ(笑
レーザ管と電源込みでも3万円かけてないと思います。


底板裏には昇降ステージ駆動モータがいます。


外した部材がすごい量です。


昇降モータの取り付けは何度か失敗していますね。スロット穴になっちゃってます。


昇降ステージの下の受け板は数少ない接着剤組付けなので外せません。それ以外の多くの部品はねじ止めなのでほんとにばらばらになってしまうのです。


レーザ管ホルダも接着を多用した部分。


レーザ加工機壱号機の出力が弱まっていたため5mmMDFが一発で切れず、やむなく1.7mmMDFを重ねて作っています。苦労の跡がうかがえます。


いよいよ大詰めです。


ダクト部材外して、


ほとんど箱だけになりました。


底板裏のモータ外します。


位置合わせの苦労の跡(笑


大板ばらしていきます。100均のコーススレッドで止まっています。



終了。大活躍したレーザ加工機参号機さんは部品に戻ってしまいました。


それにしてもすごい量のパーツです。買ったものはリニアブッシュとベアリング、タイミングプーリーとベルトくらいで、あとのパーツはすべて3Dプリントかジャンクプリンタやスキャナからの取り外し品です。


3Dプリントしたあたり。


ジャンクあたり


買ったものあたり


壱号機で加工したMDFあたり


上カバーも分解します。


ガラス外してぺしゃんこにするだけ。


ということで、惜しまれつつの参号機分解でした。
現在の加工機は中華レーザ加工機MACH3駆動改です。これはこれで快適に使えているのですが、加工エリアの狭さが不満です。
ということで、現在レーザ加工機五号機を設計中。目標はtrotec speedy100越えです。
300x600mm板がそのまま乗る加工ステージを目指したいと思っております。

レーザ加工導入を悩んでいる方はぜひ決断しましょう。レーザ加工機が手元にある便利さ、いつでも加工できる喜びはとてもとても大きいです。