2019年12月22日日曜日

ガス冷却ペルチェ方式霧箱 その17 ガス枕組み立て

 
ガス枕にフレアユニオンを固定し、隙間をシリコン系のコーキング材で目止めして一週間の硬化を行いました。


もちろんしっかり固まっております。
冬の寒さの中、平日は暖房もしない工房に放置ですが、しっかりと硬化というか反応は完了しているようです。硬化しても弾力がありますが、完全タックフリーになっております。上出来。
問題は気密ですが、この状態ではまだ調べようがありません。


反対側もきれいに固まっています。


ということで、本日は蓋とエバポレータ本体を合わせる作業です。
本体側の外周にはこのように幅1.4mmだったかな、の溝が切られています。ここにコーキング材を流し込んで上下から挟み込むことで気密を確保しようと考えております。


ここで一つ設計変更を行いました。
ガス枕完成の暁にはこのように四枚のペルチェ素子がその表面に並ぶ予定です。


当然ペルチェ素子とガス枕は密着させたいので、ガス枕表面側は平面になっています。



裏返すとこのように中央にもボス穴があります。
当初設計ではこの穴は貫通させず、M3のタップを立てて裏側からねじで止めるつもりでした。
ところが、実際にタップ突っ込んでみると、この穴の深さ(~8.5mm)ではなんぼもねじキリができないっぽいことが分かりました。


ということで作戦を変更し、このように貫通穴を開けて、表から皿ネジを入れることにしました。ついでに外周の4ヶ所も皿ネジにすることに。こうするとねじの出っ張りがありませんのでペルチェ素子の配線の引き回しも楽そうです。
四隅のねじ穴は、長ネジ入れてペルチェ素子のさらに上に乗るエタノールプールを固定するためにも使いますのでそのまま使います。


皿ネジ入れる穴をザグリ加工します。このセンターリーマーでアルミを削るのは初めてなのでややどきどき。


まず真ん中。ここは真っ平らにしないとペルチェ素子が浮いてしまうのでしっかりザグる必要があります。
M3の皿ネジはネジ山つぶさないようにヘキサ頭のものを使用。


ちょいとザグってみて、


ねじ入れてみます。まだ飛び出してます。


もう少し掘って、


ギリギリつらつらくらいかな。もう一息行きましょう。


これでどうだ。


今度はちゃんと落ちました。
アルミの厚さは十分にあるので思い切りザグっても大丈夫なんですが、気が弱いもんで(笑


といいつつ、一旦要領が分かれば思い切りを持って進められます。


中央と4辺の中点の穴をザグリ加工しました。


さて、ここからはさらに緊張するところ。気密を確保するためのシールを溝に流し込みます。まずは接着面となる部分に付着した油脂をエタノールで丁寧に拭き取ります。切削の際に油を使っていますのでかなりの量が残っているはずなのです。


溝の奥は綿棒を無理やり押し込んで拭き取ります。綿棒が真っ黒になりますので相当あぶらよごれが残っていたということでしょう。


前処理が終わったらいよいよ充填です。先週使ったテクニックでシリンジにコーキング材を詰めます。


この方法はホンに素晴らしい。


では行きます。


まずは少々気密が破れてもいい内部の土手部分で練習。シリンジを一定速度で動かしつつ、これまた一定速度でピストンを押すという職人技が必要です。なかなかむつかしいですが、足りないくらいなら多めに、という考えで乗せていきます。


引き続き外周へ。ここも迷ったら多めに乗せます。あとで気密が破れていることに気がついてももはや修復はできないと思われます。一発で決める必要があります。


乗せ終わりました。大丈夫かな


ガンガン揺らしたり叩いたりして溝の奥までシール材が入り込むように祈ります(笑


足りないくらいなら多めで。


ではいよいよ型合わせ。


ネジを準備して、


慎重に合わせて、


中央から仮止めしていきます。


まず皿ネジ部分。まだ本締めしません。


四隅はとりあえず鍋ネジ20mmのものを入れておきます。


全9本のねじが入ったら、均等に締まるように位置をランダムに変えて少しずつ増し締めしていきます。


締めることによってシール材がはみ出してきます。
これが多すぎず少なすぎずというところを狙ったのですが果たして。


4辺からほぼ等量はみだしが出てきましたのでとりあえず破綻はしてなさそうだと考えております。
このはみだしはエバポレータの内側の気室にも生じていると思われます。そのはみだし量は確認することはできません。少ないことを願うだけです。あまりに内側のはみだしが多いと、はがれたシール材がコンプレッサに流れ込んでトラブルを起こす可能性があるのです。うまくいきますように。


シール材が硬化すればガス枕は完成です。


年末まで放置硬化させ、その後内部を真空に引いて気密のテストを行う予定です。


2019年のみら太な日々の活動は本日までです。
年末は沖縄に旅行に行く予定にしておりますので、次回更新は年明けになると思います。
沖縄では米軍ジャンク品の店を回る予定ですので、面白いものがあったら投稿するかもしれませんが、モノづくりについては店じまいであります。

ということで、本年も多くの皆様のご愛顧をいただきました。まことにありがとうございました。
どうぞ良い新年をお迎えくださいませ。

2019年12月15日日曜日

ガス冷却ペルチェ方式霧箱 その16 フレア加工の練習

 
冷却サイクルからのガスの回収、配管引き回しの改造、再充填、その後のメンテナンスいずれにも配管の接続作業が必須となります。
接続したら取り外さない部分についてはロウ付けかハンダ付けをすればよいですが、分解の可能性がある部分は継手を使って機械的な締め付けを行います。
冷媒配管の接続には一般にフレア継手が使用されます。フレア継手を使うにはパイプ側にフレア加工を施す必要があります。リンク先に説明がありますが、フレア加工のフレアはフレアスカートのフレアとおなじで「ラッパの先の様に広がった」形状のことです。
パイプの末端をこのフレア形状に加工を行うための道具がフレアツールです。

みら太な日々でも霧箱に使う冷媒配管にはロウ付けとフレア継手を使う予定です。
ということで、すでにフレアツールは購入済みであります。今回はこのフレアツールを使ってフレア加工の練習をしてみたいと思います。

購入したツールセットはこちら。

2000円くらいと国内販売品に比べて激安なのがやや不安なところがありますが、プロのエアコン配管と違って年単位でガス漏れが生じてはいけないような作りはもとより目指してませんので何とかなるだろうと。

さて、フレアツールと一緒に使いそうなチーズやユニオン、そしてこのサービスバルブも購入済みです。
まずはこのサービスバルブをチーズに接続する練習をしてみたいと思います。



サービスバルブの銅管は6mmφでミリ規格です。一方でフレアツールはインチ規格です。
が、この両者は絶妙に近い数字になっていて、ガチなことを言わなければなんとなく互換性があります。ということで、合いそうな1/4inch(6.35mm)のホールを使います。


チューブを固定したら、あとはこのベアリングプーラーみたいなツールでぐいぐい無理やり口を広げていきます。


プーラー風ツールの先端を受けるようにチューブ周りにすり鉢状の受けがあり、そこに向かって変形して押し広げられたチューブの壁が押し付けられます。これで完成。


 できました。案外簡単でした。まあ、表面に傷とかあるとそこから漏れが発生するとかいろいろあるんですが、ツールの品質考えると文句は言えません。上出来でしょう。


横から。ちゃんとフレアに広がっています。


フレアチーズに合わせてみます。ばっちりですね。



ここでフレア加工を行うときに注意しなければいけないことがあります。初心者はもちろんのこと、プロでもたまにやってしまうミスです。それはフレア加工を施す前にナットを入れておくのを忘れるというミスです。
これはアルミフレーム組むときに先入れナットを入れ忘れるというミスにに似ています。
違いは、フレームはばらせばナットを入れ直すことができるけど、フレア加工は元に戻せないのでリカバリーができないという点です。フレア加工の最重要注意点といってもいいでしょう。

で、私のフレア加工はこれが初回であり、まったくの初心者であります。
ということで当然のようにナットを入れるのを忘れました(笑


はい。直ちにやり直しです。
今回はサービスバルブのチューブ長さに余裕がありますので、切断してフレア加工をやり直せばいいだけです。ツールキットにはパイプカッターも付属しています。一発で切断できます。


ナットを入れ、指差し確認してからフレア加工をやり直します。


今回もきれいです。ちょっとフレアの面積が狭いような気もしますが。


面はきれいなんじゃないかな。


ナットが入った正しい加工結果です(笑



チーズに締め付けてみます。


気密についてはテストできませんが、固定した感じは実にしっかりしており、安心感があります。いけてるんじゃないですかねえ。


中覗いても何の情報も得られませんが、とりあえずきれいに抜けているようです。


ついでにそのほかの部材接続の練習もしてみます。
これはガスを抜くときに配管に穴開けて枝をつけるためのチューブピアシングバルブです。


中に見える梁が配管に突き刺さって穴を開けます。アイアンメイデンみたで怖いです。


圧力計含めてこんな感じで各部材が接続されていくことになります。


今の感じで行くと、ガス抜きは年末年始の休みの中でやることになりそうです。
初めてやる&今までの経験が通用しなさそうな作業ですので、ある程度時間に余裕があったほうが精神衛生上好ましくてちょうどよいかな。