2013年6月30日日曜日

スパッタチャンバの改造

 
スキャナから取り外した表面ミラーを使って光共振器用のミラーを作っておりましたが、付けたり外したりを繰り返しているうちに表面が汚れてきました。もとより何のミラーかわからない(多分銀だろうと思ってはいますが、アルミかもしれない)ので、10umの反射についても良くわからないままです。
 ミラーには銅を使うのがよいということはわかっているのですが、作業台を作って引越ししたあとはスパッタ装置をおくにしまっていたのでミラーを作っていませんでした。
参号管もミラー調整の段階まで来ましたので、この機会にちゃんとした銅のミラーを作ることにしました。
ということで、チャンバとMOT(電子レンジトランス)を引っ張り出しました。んで、組み付けを行っているうちに改造のアイデアがいろいろと湧いてきましたので実行することに。やはりしばらく離れていても頭の中ではアイデアの熟成が進んでいるのだとつくづく思った次第です。

ということで、使うことにしたのがこれ。ハードオフで300円で買っておいたCPUクーラーです。CPU密着面が厚さ4mmくらいの銅のいたになっています。ターゲットとしては最高の形で、しかも全体を冷却できる構造になっています。CPUファンですから当たり前ですが。


スパッタのターゲットというのは、プラズマ化したイオン(私の場合はガスを導入しませんので、残留する窒素イオンです)が激しく衝突するために非常に熱くなります。放熱対策をせずに真空中で長時間通電すると銅が溶け始めるほどです。
 で、こんな風にしてはどうかと。積極的にターゲットを冷やすことが出来ます。


さらに、MOTの入力もコンセントにして。


絶縁にも気を配ります。こっちは一時側で高々AC100Vなのでたいしたことはないのですが(笑


で、いつもの構成でシリコンゴムの枕を使って基板をセットします。


上部の対極が+極になるように高電圧ダイオードを取り付けます。


放電するとこんな感じ。


ファンをまわすといい感じにターゲットが冷やされます。すばらしい。
チャンバ側は冷えませんので、扇風機で風を送ります。


 で、スパッタは出来るのですが、いまいちスピードが遅いです。そして、シリコンゴムの枕をしているためかムラも結構あります。接写を撮り忘れたのですが、この下の写真の右上に写っているようなものが出来ます。以前にご紹介したとおりですね。

で、これでは気に食わないということで、暖めてきたアイデアを実行することに。チャンバを作り直します。
まず、小ぶりのビン(多分ブルーベリージャム)に手前のダイヤモンドビットで穴を開けていきます。先が球になっているビットはたくさん買ったのでいくらでも思い切って使えます。


横には真空排気用の、


底には対極用の穴を開けます。


今回の工夫はここから。
底に開けた穴に毛細管ガラス6mmφを切ったものを差し込んで接着剤で固定します。


反対側には真ん中に穴を開けたガラス板を接着します。これがきばんを乗せるステージになります。


で、毛細管の中に電線を通して底の穴を接着剤で密封します。ここは電線交換のためにエポキシではなくゴム系の取り外せる接着剤を使います。


ステージまで電線を引き出します。


で、電線に接触するようにワッシャを置きます。これが対極(+極)になります。そしてそのワッシャの上にミラーにする基板を置きます。


このような構成にすることで、基盤はターゲット側ではなく対極側に移動します。ターゲット上に枕を置いて基板を乗せていた今までの状態とは異なり、基盤の前面に銅がスパッタされるはずです。

ターゲットも上下逆の配置になります。冷却という点でも本来のCPUファンの使い方になりますので効率は良いと思われます。


で、CPUファン側をマイナス、基板ステージ側をプラスにして通電し、プラズマを発生させます。


いい感じです。基板がターゲットから7mmくらいしか離れていないので下から見ても良くわかりません。


10分ほどそのままスパッタを続けます。プラズマは安定しています。


全体の構成、およびスパッタの様子がわかる動画です。 


10分間のスパッタを終了し、基板を取り出します。
 

  出来上がった基板です。これは良いです。このまま使えそうです。


 更なる改造案として、基板ステージの放熱改善があります。
今回の改造でターゲット側は冷却されるようになりましたが、対極側はガラスのステージということで熱がほとんど逃げません。発熱はターゲット側ほどではないにしろ、プラズマの中に置かれるわけですから200℃くらいにはすぐ上がると思われます。
発熱してもチャンバが壊れるということは無いと思いますが、基板が加熱されすぎると銅の膜が酸化する可能性が高くなります。時間がかかるとさらにそのリスクは上昇します。
ということで、このレイアウトできれいなミラーが得られることが明らかになりましたので、次はステージの改善をしたいと思います。
また、チャンバの作り直しですがそれもまたタノシ。



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